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【東京五輪・2020への予習ノート】“宴会部長”なのは間違いないけど…賢さと冷静さ、そして熱さも備えるDF初瀬亮/第5回

SOCCER KING 5/15(月) 15:08配信

“宴会部長”などと呼ばれるメードメーカーは多くの集団で自然発生的に誰かがその席を埋めるものだ。「U-20日本代表の宴会部長は?」と問われれば、多くの選手が「初瀬(亮)くん」の名前を挙げる。総じて年下ほど回答にためらいのない気もする共通の見解だ。

 確かに盛り上げ役であり、本人もそのことに対して自覚的だ。昨年のアジア最終予選では彼がベンチに回ることによるムード悪化を記者陣は密かに懸念していたのだが、「ケガで出遅れた自分が悪い」とハッキリ語った上で、同ポジションのライバルである舩木翔(セレッソ大阪)へ積極的にアドバイスを送るなどチームを盛り立て、いざ出場権を確保した際には“部長”としての力を存分に発揮。必殺の一発芸を駆使して「めっちゃ盛り上げてくれた」(MF堂安律=ガンバ大阪)。

 元々右利きながら、幼少期に中村俊輔にあこがれてしまったため、モノマネの左足キックを「むっちゃ練習した」結果、「むしろ左のほうがいいかも」というキックを手に入れてしまったという面白エピソードを含め、ユニークな選手なのは間違いない。ただ、いわゆる“お調子者”かと言われると、少し違う選手でもある。

 チームのことを聞けば冷静に観ていることが伝わる独特の視点を示してくれるし、自分自身について語る言葉も常に客観的だ。本当の“芸人”は頭が良くなければ務まらないというが、初瀬もそうした知性味を感じさせる選手である。また、こういうタイプは冷めていると誤解されがちだが、“熱さ”も十二分に備える。先日もG大阪で出場機会を減らしての代表合流となった点について問われると、「ガンバでも調子が悪かったわけじゃない。(出場機会が減っていても)やれると思っていたし、そういう評価を見返してやりたいという気持ちしかない。(この代表で)自分をガンバに見せ付けたい」と“メラメラ”した言葉を返してくれた。

 代表入りしたG大阪カルテットの中では最も代表入りした時期も遅く、決して“エリート度”の高い選手ではなかった。ただ、ユースで試合に出始めたころに、梅津博徳監督(当時)に「初瀬は代表とかあるんじゃないですか?」と尋ねたところ、「待ってました」とばかりに絶賛の言葉が並んだのは何とも印象深い。梅津監督が買っていたのも、やはりその賢さと冷静さ(と運動量)だった。

 貴重な両利きのサイドバックであり、長い手足が生み出す独特のリズムからのドリブルやインサイドハーフで苦もなくプレーできるスキルの高さも魅力だが、とにかく幅のある選手であるため、何より観ていて面白い。サイドバックというのは一般に地味なポジションとされているが、U-20日本代表のサイドバックは、少々熱めに注目しておいて損はない。

文=川端暁彦

SOCCER KING

最終更新:5/15(月) 15:08

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