ここから本文です

スクールゾーン拡大を 千葉女児殺害で親交家族無念

日刊スポーツ 5/15(月) 9:58配信

 千葉小3女児殺害事件で、3月26日にベトナム国籍の女児(当時9)が遺体で見つかってから、今日15日で50日が経過した。先週の四十九日法要には、事件前から家族ぐるみの親交がある渡辺広さん(44)一家の姿があった。どうしたら女児を守れたのか。女児の家族のために、これから何ができるのか。自問自答する渡辺さんは、通学路のスクールゾーンの拡大に向け、動きだそうとしている。

 3月24日午前8時20分。登校時間になっても、女児は学校に現れない。学校から連絡を受けた女児の父親から、渡辺さんの妻に連絡があった。妻が学校へ行き、担任や校長らと会った。「学校として捜索願は出せない」。そう言われた。渡辺さんも、都内の仕事を放り出して帰宅。父親、渡辺さんの妻と次女で必死に捜した。交番に届けたのは、午前10~11時ごろ。渡辺さんは「2時間たっていたことが悔やまれる。すぐ通報すれば、結果は変わっていたかもしれないから」。

 女児は川崎市から15年11月、2年生の冬に渡辺さんの長男(10)のクラスに転校してきた。当時、家が近所で、親しくなった。女児の母親が帰国中には父親が仕事から戻るまで、女児は渡辺さんの家で帰りを待った。一緒に晩ご飯を囲み、宿題は渡辺さんが教えた。「言葉の問題もあって基礎が遅れ、最初はテストも10点台。でも、あの子は頑張って、数カ月でテストも90点台になった。両親譲りで優しく芯のある、ハートの強い、頑張り屋さんだった」と振り返った。

 逮捕されたのは、学校の保護者会会長で通学路の見守りをしていた渋谷恭正容疑者(46)だった。「あの子は、知らない人の車には絶対乗らない。日本の子より、しっかりした子だった」と渡辺さん。それでも、事件は起きた。

 ただ「防げなかった」で終わらせることは絶対にできない。「あの子がいなくなってしまったことを、何か前向きな形で地域に残したい」。1つは、登下校中に行方不明になったら即通報する態勢作りだ。

 そしてもう1つ。渋谷容疑者は車で女児を連れ去ったとみられている。通学路に車が入らなければ、犯罪抑止の効果は上がる。校門前だけしか指定されていないスクールゾーンを、通勤車両の抜け道と化している周辺の通学路と通学時間帯に拡大する「安(あん)タイム」。「安」は安心、安全。女児の戒名「妙安」の「安」でもある。先月末、そんな要望を市に伝え、実現へ向けた模索を続けている。【清水優】

最終更新:5/15(月) 10:02

日刊スポーツ