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【中国インサイト】中国郵政貯蓄銀行、知られざる実力とリスク

5/15(月) 11:27配信

Bloomberg

中国郵政貯蓄銀行の収益は2017年、改善が見込まれる。現在進めている個人向け融資などの高利回り資産へのシフトやリテール事業の一層の推進が実を結ぶとみられる。

郵政貯蓄銀は利回りと株主資本利益率(ROE)を引き上げるため、預金の余剰分を活用できるかもしれない。同行の支店網は中国最大で、小口の貯金や富裕層向け事業の手数料収入をもっと利用できるだろう。ただ、親会社の販路に依存していることはリスクだ。同行は昨年9月に株式を公開した。

融資は他の資産に比べて利回りが高いが、郵政貯蓄銀の総資産に占める融資の割合は16年に36%だった。中国工商銀行(ICBC)と中国建設銀行、中国農業銀行、中国銀行の4大国有銀行の平均は54%。郵政貯蓄銀の資産は8兆3000億元(約137兆円)で、同国の銀行で6番目に大きい。

資産の入れ替えと手数料収入拡大で収入増に弾みへ

資産構成の改善とリテールの手数料収入拡大に取り組むことで、郵政貯蓄銀の収入は17年に増加の勢いが強まるとみられる。同行はより利回りの高い融資への配分を引き続き増やす。市場金利の上昇も投資リターンを支え得る。16年に54ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)縮小した利ざやが拡大する可能性がある。

利ざやと資産の質が引き続き改善へ

個人向け融資など高利回り資産に重点を移していることで、郵政貯蓄銀の純資金利ざやと資産の質の改善傾向は今年も続く公算が大きい。個人向け融資は昨年12月に比べて7%増加した。ブルームバーグ・インテリジェンスの推計では1-3月(第1四半期)の利ざやは2.24%で、16年10-12月(第4四半期)より拡大。融資の質も明るい材料だ。不良債権額は2.5%増と引き続き膨らんだが、不良債権比率は0.85%に低下した。1-3月期の純利益は前年同期比10%増加。17年の市場コンセンサス予想は6%増だ。

4大銀行を上回る資産利回り

郵政貯蓄銀の資産利回りは17年も中国4大銀を上回る可能性がある。個人向け融資に重点を置いていることや、市場金利上昇に合わせた債券ポートフォリオの見直しが寄与する。5.8%ある個人向け融資の利回りが、競合行のパフォーマンスをしのぐ原動力の一つだ。中国人民銀行(中央銀行)が今年、金融政策を引き締め気味にしていることを受け、郵政貯蓄銀は保有債券をより高利回りの資産に切り替えることもできるだろう。

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最終更新:5/15(月) 11:27
Bloomberg