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日本に厳しく中国に甘い 米商務長官「声明」の真意

J-CASTニュース 5/16(火) 7:00配信

 米国のロス商務長官の対日貿易赤字への「耐えられない」との批判が波紋を呼んでいる。米中「融和」のなかで米国の貿易赤字をめぐる批判の矛先が日本に集中する懸念も出ている。

 ロス長官の批判は2017年5月4日。3月の貿易統計を受けて日本とメキシコに対する貿易赤字が大幅に拡大したことについて、「米国は、この膨張した貿易赤字に、もはや耐えられない」との声明を発表したのだ。

■北朝鮮問題との関係

 米商務省が4日に発表した3月の貿易統計によると、モノの貿易で対日赤字は前月比55%増の約72億ドル(約8100億円)で、2008年4月以来約9年ぶりの高い水準となった。自動車関連の赤字額が目立った。

 もちろん、国別の貿易赤字額が最も大きいのは中国で、不動の1位に変化はない。対中赤字は同7%増の約245億ドルに達し、米国の貿易赤字全体の約4割を占めている。日本は2位。対メキシコの赤字が同22%増の約70億ドルにとどまったため、日本がメキシコを抜いで2位に上がった。

 この結果を受けての声明は、中国と日本・メキシコを明らかに「差別」するもので、対日、対メキシコ赤字を「驚くべき速さで増え続けている」と断じ、「トランプ政権は一方的な貿易関係から米国の労働者と企業を守るため、不均衡の是正を約束している」と、赤字削減に向けて強い決意を表明した。一方、同様に赤字が拡大している中国は批判せず、対照的な姿勢を示した。

 トランプ政権の対中「軟化」は、この間の動きに表れている。トランプ大統領は4月30日のテレビインタビューで、北朝鮮の核開発阻止に関して「中国は北朝鮮にかなり影響力を持っている」として、中国が影響力を発揮して北朝鮮問題解決を解決できるなら「米国にとり、さほど良くない(中国との)通商協定にする価値はある」とまで述べているように、北朝鮮問題で中国の協力を得るため、経済面で中国を刺激しないように配慮しているのは明らかだ。

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最終更新:5/16(火) 7:00

J-CASTニュース