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“上手さ”だけじゃない、宮里優作の見せた“強さ”【ツアーの深層】

5/16(火) 7:41配信

ゴルフ情報ALBA.Net

宮里優作の地元沖縄県での優勝という最高のシナリオで幕を閉じた男子メジャー初戦「日本プロゴルフ選手権大会 日清カップヌードル杯」。3日目には悪天候によりスケジュールが乱れるなどしたが、最終日は6,000人を超える地元ギャラリーと妹の藍、兄の聖志、両親が見守る中、自身初となる2戦連続優勝を成し遂げて見せた。

最後は家族で記念撮影 宮里藍も聖志も見届けた

■強さを見せた選手会長
セッティングアドバイザーとしてツアーにかかわる田島創志は、選手会長として奮闘する宮里の苦労もわかるからこそ、「選手会長で、しかも地元で勝つのはすごく大変。それをやってのけた宮里選手は本当に素晴らしいと思う」と語る。

選手会長の業務はスポンサーへのあいさつ回りから、ファンとの交流など多岐にわたるが、「宮里選手はファンとの触れ合いも率先してやるファン目線の選手会長。ファンに見てもらってナンボという方向に彼が変えてくれているし、プレーでも最高のファンサービスが出来ていると思う」と文字通りツアーを引っ張っている。「池田勇太選手も前に“選手会長で最低一回は勝たないといけない”と言っていたけど、中日クラウンズの勝ちで足かせがとれたような感じ。勝つべく人が勝ったのかな」と称えた。

調子自体は宮里自身も「まだまだ」と語るように万全ではなかった。「決して思い描く理想には到達していないと思う。例えば14番パー3のティショットは、逃げる立場としては左の池を避けて右を狙うのは当然だけど、セーフティに打ち切る技術が必要。右に外したのは本人も悔しいと思う。でも、勝ちきることができるようになったのは強くなったと思う。上手いけど勝ちきれないというイメージのあった宮里選手でしたが、今回は“上手い”じゃなくて“強い”ところを見せてもらった(田島)」

■ジャンボ尾崎が見せたほれぼれするフェードボール
今大会でもうひとつ大きなトピックとなったのが70歳のレジェンド尾崎将司の奮闘だ。第2ラウンドの最終18番ホールの3パットボギーにより4年ぶりのエージシュートは逃したものの、“71”は2年ぶりのアンダーパーラウンド。アップダウンのあるコースと難しいメジャーでのこのスコアは驚異的と言える。

田島も「私が語るのもおこがましいですが、体調も良くなっているし、思ったよりも飛ばせるようになっている。17番パー3で打ったフェードボールも右で押し込んで、フェースにボールがくっついている時間が長いほれぼれするようなショットだった」と最敬礼。今季はここまで昨年9回あった途中棄権もなく回りきっているだけに、2013年つるやオープン以来の予選通過も十分にありそうだ。

■ベテランから中堅、若手まで幅広くなってきた選手層
宮里と優勝争いをした49歳の谷口徹も勝てはしなかったものの、最後まで実力者らしいプレーを披露した。「最終18番できっちりバーディを獲りきって上がるのはさすが。ラインが読み切れなくて苦しんでいましたが、スコアをへこませてあがるのが大事。若い選手も見習ってほしい部分(田島)」。

今回も優勝争いに絡んだ小平智、今平周吾といった若手もいる。「選手の年齢層も幅広くなってきているし、そんな中で沖縄開催で地元の宮里選手が勝ったというのは、良い追い風になったと思う。現場の空気もいいしギャラリーもあれだけ入ってくれているのはありがたいこと」。男子ツアーにとっては良いシーズンの起爆剤となるメジャー初戦だった。

「あとはテレビ中継が生放送になればというのが、イチゴルフファンとしての願いではありますけど(笑)」

田島創志/1976年9月25日生まれ。ツアー通算1勝。2000年にプロ転向し、03年『久光製薬KBCオーガスタ』で初日から首位を守り、完全優勝。青木功JGTO(日本ゴルフツアー機構)体制では、トーナメント管理委員会 コースセッティング・アドバイザーを務める。

(撮影:上山敬太)<ゴルフ情報ALBA.Net>