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漫画無料公開、被害100億円 大手出版社、再開を警戒 法的手段検討

SankeiBiz 5/17(水) 8:15配信

 「ワンピース」「騎士団長殺し」-。ベストセラーの漫画や小説など過去最大級の5万点をインターネット上で無料で読むことができた海賊版サイト「フリーブックス」が、今月初めの閉鎖後も出版関係者らに波紋を広げている。多くの中高生にも広まったこの海賊版サイトの被害額は、閉鎖までの1カ月で約100億円に上ることが判明した。知的財産保護の観点から、今後、著作権法の改正を視野に議論が進められる文化庁の関連審議会でも、フリーブックスの問題が取り上げられる可能性がある。

 ◆驚異の読みやすさ

 「海賊版という違法性の認識が薄れてしまうほど、サイトのレイアウトが整っていた。本当に特別なサイトだった」。大手出版社で海賊版取り締まりの強化に取り組んできた担当者によれば、フリーブックス以外の海賊版サイトでは、頻繁にみだらな広告が表示されたり、特別なソフトウエアを使って漫画などをダウンロードする必要があるなど、利用に対するハードルが高かった。

 しかし、フリーブックスは広告がほぼゼロでダウンロードも不要なため、出版社の電子書籍担当者も驚くほど読みやすく、「中高生が授業中にスマートフォンで読むほど」(出版社関係者)急速に広まった。ウェブサイトのアクセス分析などを手掛けるシミラーウェブによると、4月17日までの1カ月間のアクセス数は1750万件に達した。大手出版社は1月中旬にフリーブックスの存在を把握。2月にはサイトの問い合わせフォームを通じて削除要請を行った。削除された作品もあったが、その後再び掲載される「いたちごっこ」を経て、2月下旬には要請に一切、応じなくなったという。

 ◆サイトは突然閉鎖

 3月中旬には小学館、集英社、講談社、KADOKAWA、新潮社、文芸春秋の6社で会合を開き、フリーブックスに対して合同で対応を進める方針を確認。運営者の調査を進めた結果、ブルガリア、ウクライナ、オランダ3カ国にサーバーが設置されていることが4月末までに分かった。

 5月の連休明けにはサーバーの事業者に対して法的措置を取る方向で検討していたが、3日午前中に突然、サイトが閉鎖された。閉鎖の理由は明らかになっていないが、大手出版社の担当者は、外部からサーバーに大量のデータを送りつける「DDoS攻撃」を受けた可能性があるとみている。

 閉鎖後も出版社の担当者は、「サイト利用の有料化や広告掲載の試験実施もしていたようだが…」と、広告もなく料金も取らなかったフリーブックスの運営の狙いに首をひねっている。一方で、5万点という大量の漫画データは削除されていないとみられることから、出版社はサイト再開の可能性が高いとみて警視庁と連携してサイト運営者に対して法的措置を検討している。(大坪玲央)

最終更新:5/17(水) 11:00

SankeiBiz