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イチから分かる! 「新憲法20年施行」首相発言

神戸新聞NEXT 5/16(火) 8:30配信

 「オリンピックの年に、新しい憲法?」

 今春、大学の法学部に入り、憲法を習い始めたユミコさんは、アルバイト先の喫茶店で新聞をめくりながら驚いた。もう決まったことなのかな-。「そうだ、常連さんに記者の人がいたっけ。聞いてみよっと」

 -新憲法ができるの?

 「ニュースのもとは、憲法記念日(5月3日)に流された安倍晋三首相のビデオメッセージなんだ。今年の記念日は、憲法が施行されてちょうど70年の節目。全国で憲法を変えたい人(改憲派)も変えたくない人(護憲派)も集会を開いたんだけれど、首相は改憲派の人たちにメッセージを寄せたんだ。神戸であった集会でも中継されたよ」

 -何て言ったの?

 「自民党の総裁(リーダー)として憲法を改正して、東京オリンピック・パラリンピックがある2020年を、新しい憲法が施行される年にしたい-と。もともと首相は改憲に意欲を見せてきたけれど、目標とする時期を具体的に明言したのは初めてなんだ」

 -憲法を全部変えるの?

 「首相は改正項目として二つ挙げた。一つは9条。もう一つは教育の無償化。小中学校9年間の義務教育だけでなく『高等教育についても全ての国民に真に開かれたものとしなければ』と語ったよ」

 -9条って平和に関わる条文だよね。

 「1項は戦争を放棄すること、2項は陸海空軍その他の戦力を持たないことなどを規定している。首相は1項と2項をそのままにして、新たに自衛隊を明記しよう-と言った。憲法より後に自衛隊が発足したから、憲法には自衛隊について書かれていないんだ」

 -首相は前から言ってたの?

 「もともと首相は、9条2項を改正したかったはずなんだ。自民党が一つの案として作った改憲草案も、自衛隊を国防軍とする内容だった。だから党の中にも、首相発言を唐突だと感じて『長い議論の積み重ねを全く無視していいとはならない』と反発する議員だっている」

 -憲法改正の手続きは決まっているの?

 「憲法96条や国民投票法などで定めている。一定数の国会議員が賛同すれば、改憲原案を国会に提出できるよ。衆議院と参議院には各党の議員でつくる憲法審査会があって、ここで過半数の賛成が得られたら、本会議で採決を行う。衆参各院の総議員の3分の2以上が賛成すれば、国民に改正を提案できる。現在、改憲に賛同する議員数は両院とも3分の2を超えるとされている。最後は国民投票で決めるんだ」

 -私も投票できるの?

 「18年6月20日までに投票日がある国民投票だったら、満20歳以上の日本国民が対象だよ。でも、それ以降の国民投票は、18歳以上に引き下げられるんだ。憲法を変えるか、変えないかを判断するためにも、まずは今の憲法について知っておくことが大事だよ」(段 貴則)

最終更新:5/16(火) 9:16

神戸新聞NEXT