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【マレーシア】90年代生まれの先進性、域内でも高く=博報堂

5/16(火) 11:30配信

NNA

 博報堂グループのシンクタンク、博報堂生活総合研究所(HILL)アセアンが先ごろ、東南アジア諸国連合(ASEAN)6カ国の1980~90年代生まれの若者の意識を調査した結果から、マレーシアでは80年代生まれと90年代生まれの世代間ギャップが域内でも大きいことが分かった。言語能力が高いことから90年代のコンテンツの吸収がより早く、デジタル技術への対応力も他国を上回ることが推測されるという。HILLは域内でも感度が高い国内の若者層の嗜好(しこう)を意識したマーケティングの必要性を指摘した。
 調査は昨年9月、マレーシア、シンガポール、タイ、インドネシア、フィリピン、ベトナムの6カ国で70~90年代に生まれた1,800人(各国300人)を対象に行い、そのうち、44人には家庭を訪問しての聞き取り調査も実施。クアラルプール(KL)市内で15日に行った「アセアン生活者フォーラム」で、結果をもとにした分析・提言を行った。
 1980~90年代生まれのミレニアル世代は、全世界的にトレンドをけん引する存在として着目されているが、今回のフォーラムでは、80年代と90年代の意識の違いに着目。調査では、90年代生まれに世代間ギャップを感じる80年代が6カ国平均で70%であるのに対し、マレーシアでは77%、80年代に世代間ギャップを感じる90年代が6カ国平均で66%、マレーシアでは70%となり、マレーシアのミレニアム世代内での意識の差異が域内でも際立っていることが明らかになった。
 HILLでは、6カ国に共通する背景として、1998年のアジア通貨危機時に10歳に達していた80年代生まれが生活に堅実さを望むのに対し、乳幼児だった90年代は変化を恐れないことに代表される、もともとの考え方の違いがあると指摘。その上で現在は、それぞれの嗜好(しこう)が、デジタル化への対応で如実な違いとして現れていると解説した。
 ソーシャルメディアの活用法を調査した結果では、「特別な瞬間を記録しておく」80年代生まれが70%であるのに対し、90年代は45%となった。一方、「より自然な自分自身を見せたい」と求める90年代生まれが54%に上るが、80年代生まれでは41%に過ぎなかった。実際の具体的な投稿においても、80年代はセルフィ―(自撮り)や、より美しい幸せな自分を他人に見せることにこだわり、90年代は自分が好むものや日常生活を他人の価値観を気にせず発信し、商売などにも積極的に使うなどの違いがあるという。
 オンライン購買の頻度も、90年代生まれが格段に多く、HILLでは80年代をオンラインとオフラインでの行動を注意深く選別する「Curate」、90年代をオンラインとオフラインの生活を混在させて生きる「Converge」と位置づけた。
 ■マの若者、世界トレンドのキャッチ早い
 博報堂マレーシアの高市康太エグゼクティブ・コーディネーターは、両世代の意識の差異が平均より大きいマレーシアの90年代生まれは、東南アジア諸国連合(ASEAN)域内でも先駆的な「Converge」性向を持っていると分析した。その背景として、「英語、中国語をはじめとする多言語を操る国民性から、世界で流行するアプリやデジタル技術のトレンドをいち早くキャッチする若者が多いことがある」と分析した。ベトナムなどではまだ普及率が低い米系チャットアプリ「スナップチャット」の利用者も多いという。
 また、高市氏は、90年代生まれでは、マレー系、華人系、インド系で一定の障壁があった相互コミュニケーションがデジタル技術の進行で開放的になっているとも指摘した。実際、90年代生まれ同士の民族間ギャップは、80年代生まれとの世代間ギャップを下回った。今後も急速にデジタル技術のトレンドが進化するとみられる中、世代間ギャップを意識したマーケティングが民族間の違いと同様に重要になる可能性が高いとみられている。
 今回のフォーラムでは、博報堂のクライアント企業やメディア関係者らが出席した。今後はインドネシアのジャカルタでも開催を予定している。

最終更新:5/16(火) 11:30
NNA