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黒田日銀総裁、副作用の不安払拭 出口戦略「十分な手段持つ」

SankeiBiz 5/17(水) 8:15配信

 日銀の黒田東彦総裁は16日、都内で行われた対談で、異次元の金融緩和を縮小する出口戦略について、「日銀は十分な手段を持っていると自負している」と発言した。市場では出口の局面で金利が上昇し、日銀に口座を持つ金融機関への利払いが大きく増えるなど副作用を指摘する発言が相次いでおり、こうした不安を払拭するのが狙いとみられる。

 「どのように短期金利のコントロールと、中央銀行のバランスシート(貸借対照表)をマネジメントするか。どの順番で対処するか大事」

 この日、黒田総裁はこうも指摘し、これまで「今後慎重に検討する」としてきた出口議論について、一歩踏み込んだ発言をした。黒田総裁は来年4月に任期を迎えるが、誰が総裁になっても出口戦略は可能かと問われ、「その通り」とも述べた。また、すでに金利の正常化局面に入っている米連邦準備制度理事会(FRB)の対応が「非常に興味深く、良い参考になるかもしれない」との見解を示した。

 こうした発言は、年80兆円のペースで国債を買い増した結果、国債の発行残高に占める日銀の保有割合は現在、4割を超えたことが背景にある。金利が上昇すれば、価格が下がるため、緩和の出口を模索する局面で、金融機関への利払い増加に加え、保有国債の含み損も発生する可能性もあるなど、日銀の決算が赤字に陥る恐れを指摘されていることが大きい。

 だが、出口が意識されると金利は上がり、2%の物価目標の達成に向けて、金利を低く抑える金利操作が難しくなる恐れもある。日銀は、こうしたジレンマを抱えながら、政策運営を行っており、出口の踏み込んだ発言がしづらいのが実情だ。

最終更新:5/17(水) 8:15

SankeiBiz