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東芝社長、強気の記者会見 決算手続き「最善尽くす」

5/16(火) 17:30配信

ZUU online

東芝 <6502> の綱川智社長は記者会見し、2017年3月期の決算発表を延期したことを陳謝するとともに、「適切かつ早期に決算手続きを終わらせるため最善を尽くす」と語った。決算発表については、監査法人と折り合いが付かず。16年4-12月期の決算が暫定値の発表にとどまったのに次ぎ、2度目の不祥事である。

東芝は同日、暫定値としてウエスチングハウス(WH)の破綻に伴い、最終的な純損益は9500億円の赤字、債務超過は5400億円になると発表した。債務超過は東芝メモリの売却で解消する見通しだという。

■監査法人の了承なく2度目の暫定値公表

15日は3月期の決算短針を公表する最終期限。しかし東芝は、WHの会計処理を巡って、監査法人「PWCあらた」と意見が合わず、再び監査法人の了承なく暫定値を公表する事態を招いた。東芝は最終的には6月末までに関東財務局に「有価証券報告書」を、監査法人の意見を付けて提出することが義務づけられている。できなければ上場停止処分もあり得る。

綱川社長は同日、「当社と監査法人は、皆さまのご心配を一刻も早く払拭(ふっしょく)するため協調しながら、適切かつ早期に決算手続きを終わらせるために最善を尽くす。本日、決算を発表できないことで、株主、投資家を初め関係者に多大なご心配をかけることを改めて深くおわびする」と述べた。

■東芝メモリ売却では共同運営のWDと対立

監査法人との意見が合わない理由は、WH破綻までの会計処理を巡る意見の食い違いである。監査法人は原子力事業について、巨額の損失を認識した時期の調査結果を提出するよう求めている。綱川社長は「監査手続きが続いているので、調査を継続している」とだけ述べている。

一方、半導体事業の売却交渉をめぐって、WHを共同運営しているウエスタンデジタル(WD)と意見が対立していることについて、「半導体事業の分社化と株式の過半の売却の手続きは正当に実施している。(WDとの)合弁事業の契約に抵触している事実はなく、WDがそれを止める根拠はない」と主張した。同社長は、半導体事業(東芝メモリ)の売却のための2回目の入札は、「予定通り5月19日に行うことで作業を進めている」と述べた。

一方、WDは14日(米時間)、国際仲裁裁判所に対して、東芝メモリの売却差し止めの申し立てを行った。

■監査法人との不仲と東芝メモリ売却の入札問題抱える

東芝は、半導体事業の売却で債務超過を解消できなければ、上場維持が困難になり、経営再建のシナリオは一挙に崩れる。綱川社長はWDとの話し合いによる解決に自信を示してきたが、WDが仲裁裁定を申し立てたことで、決着の見通しがつくまでには少なくとも1年はかかるとみられる。併せて監査法人との意見対立が深刻である。

東芝メモリの第2次入札と決算報告書の提出期限が目前に迫っている。東芝がこの危機をどう乗り切るのか、むしろ乗り越えられのかが当面の大きな問題である。最悪の状況は、決算報告書は公表できず、半導体事業の売却が差し止められるケースである。

成り行きによっては、今のところ支える構えである大手銀行の東芝への信用供与が滞る可能性もある。こうしたことから、「東芝を救う最善の策は会社更生法の適用申請かもしれない」と一部の東芝関係者の声も出始めているという。(長瀬雄壱 フリージャーナリスト、元大手通信社記者)

最終更新:5/16(火) 17:30
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