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地元の未利用木材を活用するバイオマス発電が運転開始、1万世帯の電力を供給へ

5/16(火) 9:10配信

スマートジャパン

苫小牧市の世帯数約11%にあたる電力を供給

 住友林業は北海道苫小牧市晴海町に建設した、約1万4000m2のバイオマス発電所が2017年5月に営業運転を開始したと発表した。この「苫小牧バイオマス発電所」は同社の他、三井物産と北海道ガス、地元の林業事業者であるイワクラが建設を進めてきた。

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 燃料の木質チップは北海道の未利用木材で賄い、年間約6万トンを活用する予定だ。出力は約5.9MW(メガワット)、年間の発電量は4000万kWh(キロワット時)を見込む。約1万世帯分の電力を供給するという。苫小牧市の総世帯数は2017年4月時点で8万7672世帯のため、約11%に当たる電力を地産地消型の木質バイオマスで供給できる。

 苫小牧バイオマス発電所は2016年12月から試運転を開始しており、2017年2月から北海道ガスが電力調達を開始した。北海道ガスは「2016年4月の電力小売全面自由化に合わせて開始した『北ガスの電気』の重要な電源の1つとして位置付けている」と語る。

 住友林業グループが手掛けた発電事業は、苫小牧バイオマス発電所で3つ目となる。1つ目は、2011年2月に運転を開始した「川崎バイオマス発電所」(神奈川県川崎市)だ。国内初の都市型バイオマス発電所であり、年間12万トンのCO2削減に貢献している。NOx(窒素酸化物)を除去する装置、Sox(硫黄酸化物)を除去する装置も備えた。

 従来は焼却処分されていた、都市部で大量に発生する建築廃材を年間18万トン活用することで、エネルギーの地産地消を実現した。出力は3万3000kW(キロワット)。住友林業の他、グループ会社の住友共同電力とフルハシEPOの3社で事業を行っている。

 2016年12月には、住友共同電力との合弁で設立した「紋別バイオマス発電所」(北海道紋別市)の運転を開始した。オホーツク地域の未利用木材を主燃料として活用。輸入PKS(ヤシの実の種の殻)、補助燃料の石炭など多様な燃料も利用しているという。木質チップは年間約22万トン、輸入PKSと石炭はそれぞれ5万トンを使用する予定だ。出力は50MW、年間で6万5000世帯分に相当する発電量を見込んでいる。

 住友林業は1917年から紋別市で山林経営を開始し、2017年で100周年となった。森林資源の価値向上に加え、道内の未利用木材の有効利用に取り組んできたとしている。同社グループでは「バイオマス発電事業への参入も、その一環である。今後も地域に根ざした事業モデルを構築し、森林資源の活用に貢献する」と語る。計画段階も含めて、2019年3月までに再生可能エネルギーの発電事業を200MW規模まで拡大する方針だ。