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半導体売却に暗雲=WDと対立、影響必至―東芝

時事通信 5/16(火) 7:05配信

 東芝が進める記憶用半導体フラッシュメモリー事業の売却に暗雲が立ち込めている。合弁相手の米ウエスタンデジタル(WD)が14日、国際商業会議所(本部パリ)の国際仲裁裁判所に売却の差し止めを申し立てた。記者会見した東芝の綱川智社長は「契約に抵触する事実はない。正当性を説明し、懸念を払拭(ふっしょく)するように努力していく」と強調したが、影響は避けられない。

 東芝の15日の発表では、2017年3月末の債務超過額は5400億円。メモリー事業会社を売却できなければ、2年連続の債務超過で東証ルールにより上場廃止になる。金融機関の支援の継続も危うくなり、経営再建の大前提が揺らぐ事態となる。

 東芝は2次入札を19日に締め切り、6月中に売却先を決めたい考えだ。だが、WDは「売却は契約違反」とする書簡を東芝に送付した。東芝は「同意は必要ない」と反論。WDに対して「情報を遮断する」と通告するなど徹底抗戦の構えだ。

 WDは、今回のメモリー事業売却は契約違反だと他の入札者にも警告している。WDの訴えが全面的に認められれば、落札しても事業を手に入れられない恐れもある。「仲裁でひっくり返ったら大損害。入札企業が手を引いたり、大幅に買いたたいたりする」(市場関係者)との懸念も浮上している。

 東芝とWDの関係は、WDが米サンディスクを買収した16年5月に始まった。「サンディスクとは良好な関係が長く続いてきたが、WDとは信頼関係が築けていない」(東芝幹部)といい、今回の騒動で完全に冷え込んだ。来年3月までに売却を終え、債務超過を解消する資金を得るため、「今後も話し合いを続けていく」(綱川社長)というが、解決の糸口は全く見えない。 

最終更新:5/16(火) 10:27

時事通信