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“侍もの”新作「たたら侍」米でヒットなるか ロケ地観光資源化にも注目

夕刊フジ 5/16(火) 16:56配信

 【聖林裏表】

 ハリウッドで「侍もの」の作品がヒットすることがある。トム・クルーズ(54)や渡辺謙(57)、真田広之(56)らが出演した「ラストサムライ」(2003年)はその代表例だろう。

 ハリウッド業界が選ぶ好きな映画ベスト100には、黒澤明監督の「七人の侍」(1954年)もランクインしている。「47RONIN」(2013年)や「BUNRAKU」(10年)といったアレンジものもあり、根強いファンがいると分析されている。

 その「侍もの」の新作「たたら侍」(日本公開20日、米国公開6月2日)のプレミアイベントのため、エグゼクティブ・プロデューサーのEXILEのHIRO(47)やAKIRA(35)、主役を務めた劇団EXILEの青柳翔(32)らがロサンゼルスを訪れた。

 舞台は戦国時代の出雲。唯一無二の鉄「玉鋼」を生み出す製鉄技術、たたら吹きの伝統を引き継ぐ宿命を背負った男が、侍になることを夢見て旅に出る。その先に待ち受ける苦難は……。

 昨年のモントリオール映画祭のワールドコンペティション部門で最優秀芸術賞を受賞した。津川雅彦(77)や笹野高史(68)、宮崎美子(58)といったキャスト陣の好演も光る。

 侍同士が斬りあう合戦シーンも当然あるが、青柳演じる主人公が戦わずに、追い詰められていく心の変遷のほうが印象に残る。在ロサンゼルス日本総領事公邸で8日に開かれた記者会見で、青柳は「(主人公の)伍介の最後の行動は、憎しみの連鎖を絶つという成長を表現した」と語った。

 侍アクションというより、伝統や人の心、謙虚さ、生き様、という描写が米国で理解されるかに注目したい。

 もうひとつ興味深いのは、ロケ地を観光資源として活用しようという試みだ。島根県や出雲市など8自治体がロケ地のマップを作製し、観光客を呼び込もうとしている。青柳らがやってきたロサンゼルスは今年、映画ロケ地の観光資源化に成功した。

 米アカデミー賞で6部門を受賞したミュージカル映画「ラ・ラ・ランド」のロケ地には全米各地にとどまらず、ヨーロッパや日本などからも多くの観光客が訪れている。ロサンゼルスのツアー会社には、ラ・ラ・ランドのロケ地めぐりのツアーの問い合わせが急増し、ロサンゼルス市は4月25日を「ラ・ラ・ランドの日」にも制定した。

 映画の影響で観光が潤ったケースは少なくない。ダスティン・ホフマン(79)主演の「レインマン」(1988年)のロケ地となった米ラスベガスの高級ホテルへの予約が殺到したのもその一例だ。

 映画の観客が、いにしえの神社や日本の田舎の大自然に興味を抱いてくれるかどうか。静かに動向を見守っていきたい。 (産経新聞ロサンゼルス支局長・中村将)

最終更新:5/16(火) 16:56

夕刊フジ