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稀勢初白星!得意の左おっつけさく裂 取組前、照の巨体が左肩直撃も大丈夫

5/16(火) 6:07配信

デイリースポーツ

 「大相撲夏場所・2日目」(15日、両国国技館)

 3場所連続優勝を目指す横綱稀勢の里は、平幕隠岐の海を寄り切って初日を出した。春場所で負傷した左腕にむち打ち、伝家の宝刀、おっつけがさく裂。取組前の土俵下では、落下してきた大関照ノ富士の直撃を患部に受けたが、初白星を手にした。大関とりの関脇高安は大関豪栄道を突き出し2連勝。横綱勢は白鵬、日馬富士が連勝したものの、鶴竜は平幕千代の国に引き落とされて2連敗。千代の国は初金星を挙げた。

 連敗なら休場ピンチとなる土壇場、稀勢の里は伝家の宝刀を抜いた。踏み込んでから、左おっつけが強烈。隠岐の海の体をはね上げると、左腕をねじ込んだ。一気に出て腰を落として寄り切った。

 回復が間に合っていないのは初日に露呈。手負いの横綱の執念星に満員の館内は拍手喝采し、「稀勢の里」コールがこだました。

 「(おっつけは)いつも通り。いいんじゃないかな。(左は)問題ない」。“左が使える”-。短い言葉に手応えを込めた。

 傷ついた体に期待と人気を背負い、黒星スタート。この日は土俵下で控えている際、落下してきた187キロの照ノ富士の巨体が左腕、肩付近を直撃した。「いろいろなことがあるよ」。不動の心で負の連鎖を断ち切った。

 八角理事長(元横綱北勝海)は「おっつけてからの巻き返しだから効いた。相手も左四つだから落ち着いていたんじゃないかな。一つ勝てばホッとする」と、心身ともに大きな白星を強調した。

 貴乃花以来、16年ぶりとなる日本出身の東正位横綱。支度部屋は東の最奥に構える。先代師匠の故鳴戸親方(元横綱隆の里)から「横綱は見える景色が違う」と言われてきた景色は「やっぱり違う」と、角界最高峰に立った眺めを堪能する。

 この日の朝稽古前には写真誌のカメラマンに突然、出くわした。「俺なんか撮ってどうするんだろ。何もないのに」と笑みをうかべ、首をかしげた。今や国民的ヒーローは土俵で魅せるのみ。1937年双葉山以来、80年ぶりとなる初優勝からの3連覇へ、仕切り直して、さあ反撃だ。