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宗教法人の山に残土投棄容疑 大阪府警、僧侶ら6人逮捕

朝日新聞デジタル 5/16(火) 11:45配信

 宗教法人が所有する大阪府河内長野市日野の山中に無許可で建設残土を捨てたとして、府警は16日、この法人の僧侶や建設業者の元会長ら29~67歳の男6人を、府砂防指定地管理条例違反と府土砂条例違反の疑いで逮捕し、明らかにした。この建設業者が残土を搬入したい業者から処分代金を受け取り、投棄を黙認した僧侶側に一部を渡していたとみている。

【写真】地図

 投棄されたのは、宗教法人「成田山不動院」(本部・鹿児島県指宿市)の河内長野別院の敷地だった。

 生活環境課によると、逮捕されたのは同法人の僧侶の坂田義明容疑者(67)=兵庫県姫路市=や10社以上の搬入業者に残土を持ち込ませたとされる松尚(まつしょう)建設(大阪市旭区)の元会長の松島募(つのる)容疑者(67)=旭区=ら。6人は共謀して昨年8~9月、府の許可を得ないまま別院の敷地約4400平方メートルに、搬入業者に建設現場で出た残土を運び入れさせ、地形を変えた疑いがある。

 2人は容疑を否認し、うち坂田容疑者は「ほかの容疑者と共謀したことはない。(松島容疑者が)許可申請していると思った」と供述。松島容疑者ら2人は容疑を一部否認し、残る2人は認めているという。

 投棄した場所は、許可なしで土砂などを搬入できない国の「砂防指定地」だった。府警は昨年12月、別院などを家宅捜索していた。

 近隣住民が昨年7月に府と市に通報し問題が発覚。府と市は坂田容疑者に何度も行政指導したが、「参道整備のため」「お堂建設のため」などとして搬入は止まらなかったという。同9月下旬、搬入した残土のうち約3千立方メートルが崩れ落ち、約200メートル下の1級河川「石川」に流れ込んだ。川は白く濁り、市は約1カ月間、下流の浄水場で水道用の取水を中止した。

 府は坂田容疑者と松尚建設に残土を撤去するよう行政指導したが、同社とは間もなく連絡がつかなくなったという。同社は今年4月、破産手続きに入った。

 捜査関係者らによると、鹿児島県内にある登記上の法人本部は活動実態がなく、大阪府東大阪市の関連施設に代表の女性がいる。別院に僧侶らはいるが、信者や修行者らの出入りはこの数年間ほとんどなかったという。この法人と成田山新勝寺(千葉県成田市)は無関係。

 日野地区の石川は、初夏にホタルが乱舞する名所として地元で親しまれている。濁った水は徐々に回復したが、溶け出した粘土質の土が川底にたまり、透き通った景観は失われた。市は今月12日、水道水の取水ができず大阪広域水道企業団から購入せざるを得なくなったとして、坂田容疑者らに約740万円の損害賠償を求め、大阪地裁堺支部に提訴した。

朝日新聞社

最終更新:5/16(火) 15:05

朝日新聞デジタル