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<独仏首脳会談>EU改革で一致 7月に具体案協議

毎日新聞 5/16(火) 10:42配信

 【ベルリン中西啓介、パリ賀有勇】マクロン仏大統領は15日夕(日本時間16日未明)、訪問先のベルリンで、就任後初の首脳会談をメルケル独首相と行った。両首脳は、欧州連合(EU)と単一通貨ユーロ圏の改革に関する「ロードマップ」(行程表)を作成することで合意。英国の離脱問題で揺れるEUを、新たな独仏連携で率いていく決意を表明した。具体案協議のため、仏国民議会(下院)総選挙後の7月に、独仏閣僚会合が開かれる。

 会談後の記者会見でメルケル氏は独仏が新規共同事業の協議で合意したとも発表し、「我々は(EU)全体に推進力を与えることができる」と述べた。事業内容は閣僚会合で話し合われるが、マクロン氏は「経済や教育、外交安保など広範にわたるテーマが対象」と説明し、EU改革の行程表もこの場で議論されると明らかにした。

 マクロン氏は大統領選で、ユーロ圏の共同予算や財務相の設置を訴えてきた。実現にはEU条約を改正する必要があるが、メルケル氏は「意味があるなら条約を改正することは可能だ」と踏み込んだ発言をし、欧州統合深化を訴えるマクロン氏を支える姿勢を鮮明にした。マクロン氏も「(条約改正は)タブーではない」と述べ、独仏の連携を強調した。

 一方、南欧諸国の要望が強いが「改革をしない南欧諸国への財政支援につながる」と独世論で反対意見が強いユーロ圏共同債について、マクロン氏は「私はユーロ圏共同債を求めたことはない。古い債務の共有化は責任感なき政治につながる」と述べ、ドイツ側の不安打ち消しに努めた。

 マクロン氏はフランス内政の現状について「EU内で過去30年間、高失業率を解決できなかった唯一の大国だ」と述べ、ドイツ側が指摘する労働市場改革などの必要性に言及。16日に新閣僚を発表することを明らかにし、「政府はこの目標に向けて専念することになる」と決意を述べた。

 メルケル氏は会見冒頭、選挙戦で親EU路線を貫いたマクロン氏に「勇気ある道を歩まれたことを心からたたえたい」と祝意を表明。独仏国旗の前でマクロン氏と握手を交わした。

最終更新:5/16(火) 18:55

毎日新聞