ここから本文です

劇団わらび座が津波テーマの舞台 400年前の船出、被災者に勇気

産経新聞 5/16(火) 7:55配信

 約400年前の江戸時代初期に仙台藩を襲った大津波をモチーフに、劇団わらび座(仙北市)が、東日本大震災からの復興への希望をこめたミュージカル「ジパング青春記~慶長遣欧使節団出帆~」を、同市のあきた芸術村「わらび劇場」で上演している。震災の被災者も観劇に訪れ、「勇気をもらった」などの感想が寄せられている。(藤沢志穂子)

                   ◇

 物語は慶長18(1613)年に、仙台藩主の伊達政宗が支倉常長を副使として欧州に送った慶長遣欧使節と、その2年前に起きた慶長地震津波との2つの史実に基づいている。

 舞台は約400年前の石巻。漁師のリウタ(松本旭平)が津波で家族を失い、悲嘆に暮れる中で帆船建造の仕事に取り組み、欧州へ行くその帆船に乗り込む。

 脚本・演出は「スーパー歌舞伎IIワンピース」も手がけた横内謙介氏。「遣欧使節は復興事業だった」との新説を立て、津波が襲った大海原にあえて船出したリウタに、現代の東北の若者たちのたくましさを重ねあわせた。リウタ役の松本さんは仙台市出身。使節団に加わったメキシコ人ミゲル役は、秋田市出身の布施勇弥さんだ。

 観劇には東北の修学旅行生らも多く訪れ、中には被災者も含まれるという。わらび座では学校側に対し、舞台には津波のシーンこそ登場しないものの、テーマであることを事前に伝えている。だが、上演中に拒否反応を起こしたようなケースはなく、「『震災を乗り越えて前に進む』ことを、感じとってくれている」(広報)という。

 舞台では民俗芸能もちりばめられ、ネコが語り部となるファンタジー的な要素もある。横内さんは「舞台を地方でじっくり上演できるのは都会にはない贅沢な機会。役者たちも次第に成長していくと思う。ぜひ多くの人たちにみてほしい」と話している。11月26日まで。来年1~2月には仙台市で公演。問い合わせはあきた芸術村予約センター(電)0187・44・3939。

最終更新:5/16(火) 7:55

産経新聞