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物価2%へ追加措置、「常に可能」 円滑な出口を確信=日銀総裁

ロイター 5/16(火) 17:18配信

[東京 16日 ロイター] - 黒田東彦日銀総裁は16日、都内で行われた対談で、大規模な金融緩和を縮小する出口戦略について、十分な手段を有しており、うまく対応できると確信していると語った。ただ、現在は出口を模索する状況にはないとし、物価2%目標の実現に向けて追加的な措置を講じることも常に可能との認識を示した。

総裁は大規模緩和からの出口局面での課題について「どのように短期金利をコントロールするか、膨張したバランスシートをどのようにマネージしていくか」の2点を指摘した。そのうえで、日銀は出口に対処するための「十分な手段を持っている」とし、出口にうまく対応できると「確信している」と語った。黒田総裁は来年4月に任期を迎えるが、誰が総裁になっても可能かと問われ、「その通り」とも述べた。

出口に際しては、すでに利上げを開始し、金融政策の正常化局面に入っている米連邦準備理事会(FRB)の対応が「非常に興味深い。われわれにとって良い参考になるかも知れない」との見解を示した。

もっとも、日本と米国では状況が違うとし、日本の場合は依然として物価が伸び悩んでおり、出口を模索する段階にはないと語った。物価2%をできる限り早期に実現することが目標と強調し、達成に向けて追加的な措置を講じることは「常に可能」と語った。

これまでの大規模な国債買い入れによって、日銀の保有国債は発行残高の4割程度に達しているが、総裁は「60%は市場に出回っているということだ」と指摘。金融機関の一定の国債保有ニーズもある中で、今後はより少額の買い入れでも「極めて低い金利を維持できる。あるいはさらに金利を引き下げる圧力をかけることができる」との認識を示した。

米国ではFRBによるさらなる利上げが想定されているが、総裁は米経済の強さが背景にあるとし、米金融政策の正常化の影響について「米経済だけでなく、世界経済にも良いことだ。あまり心配していない」と述べた。

また、金融政策はそれぞれの国の経済・金融状況に対応しており、緩和策を継続中の日銀と米国の方向性の違いは「自然」との見解を示した。

(伊藤純夫)

最終更新:5/20(土) 10:20

ロイター