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<イラン大統領選>最終盤でロウハニ師に逆風 強硬派一本化

毎日新聞 5/16(火) 19:10配信

 【テヘラン篠田航一】19日投票のイラン大統領選は、保守強硬派候補のガリバフ・テヘラン市長が撤退を表明したことで、再選を目指す現職の保守穏健派ロウハニ大統領と、最高指導者ハメネイ師に近い保守強硬派のライシ前検事総長の事実上の一騎打ちとなる構図が固まった。ガリバフ氏はライシ師への支持を表明し、強硬派の票を一本化する姿勢を鮮明にした。これまでの各種世論調査ではロウハニ師が独走状態だったが、選挙戦最終盤でロウハニ師に逆風が吹き始めている。

 「国家、国民、イスラム革命を守り抜くことが重要と考え、決断した。私の支持者には敬愛するライシ師を全力で支援するようお願いしたい」

 ガリバフ氏は15日の声明でこう述べ、ライシ師への投票を呼びかけた。南部シラーズで遊説中だったライシ師はこれを受け「ガリバフ氏に感謝したい。革命的な行動だ」と称賛した。強硬派系ニュースサイトのタスニム通信によると、2人は直前に会談し、互いに「自分は撤退する用意がある」と譲り合っていたという。

 ガリバフ氏は前回2013年の大統領選にも出馬し、次点で敗れた実力者。この時は複数の強硬派候補が最後まで撤退せず、結果的に票が割れてロウハニ師の初当選につながった経緯がある。今回はその「教訓」を生かした格好だ。仮にライシ師が当選した場合、ガリバフ氏が副大統領に就任するとの観測も浮上している。

 直近の世論調査ではロウハニ師が4割の支持を集め、ライシ師とガリバフ氏はいずれも2割超。単純計算では2人の保守強硬派を合計すればロウハニ師と互角になる。

 一方、突然の撤退表明に、ガリバフ氏の支持者からは困惑の声も上がる。主婦のミトラさん(27)は「市長経験の長いガリバフ氏は緑化運動に取り組むなど実行力があり、支持してきた。超保守的なライシ師は厳格すぎて不安。今さらライシ師に投票しろと言われても気が進まない」と話す。ガリバフ支持票の行き先についてロウハニ師陣営関係者は「地方ではライシ師に流れるが、都市部ではある程度ロウハニ師が取る」とみている。

最終更新:5/16(火) 19:10

毎日新聞