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北の新型ミサイル、アラスカも射程? 米本土狙う大陸間弾道ミサイルに匹敵か

産経新聞 5/16(火) 7:55配信

 北朝鮮が15日、発射の「成功」を公表した新型弾道ミサイル「火星12」は、通常の角度で打ち上げれば射程が4千~6千キロ超に達し、米本土を狙う大陸間弾道ミサイル(ICBM)に匹敵するとの見方がある。北朝鮮のミサイル技術はどこまで進展したのか。(時吉達也、ソウル 桜井紀雄)

 「米国は(北)朝鮮の弾道ロケット(ミサイル)が脅威になるか、はっきり目の当たりにすればよい」。14日早朝の発射に立ち会った金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長は、こう豪語したという。実際、北朝鮮の発表通りなら際立つ進展を示す。軍事アナリストの小都元(おづ・はじめ)氏は「30分間飛行するのは特筆すべきことだ」と指摘する。(1)長時間の燃焼に耐えるエンジンを製造する(2)多くの燃料を積むタンクを搭載する(3)燃料効率を高める-必要があるからだ。

 今回、「ロフテッド軌道」と呼ぶ垂直に近い角度で発射したが、30~45度の通常角度で発射した場合、「4千~5千キロの射程を有する」と小都氏は分析する。韓国の専門家の間では、米アラスカ州も射程に入る5千~6千キロ超に達するとの見方もある。射程5500キロを超す弾道ミサイルはICBMに分類される。

 新型ミサイルについて、北朝鮮は「大型重量の核弾頭が搭載可能だ」とした。韓国の世宗(セジョン)研究所の鄭成長(チョン・ソンジャン)統一戦略研究室長は「(事実なら)米本土への脅威が格段に増す」と警告する。ただ、大型重量への言及は、ICBMに必要な弾頭の小型化に成功していない裏返しとも読める。

 発表では、大気圏再突入時の弾頭部の性能も「実証された」と主張した。6千度以上の高熱に耐え、狙ったタイミングで起爆させる技術は核ミサイルの完成に必須とされる。この技術の獲得について、韓国国防省は15日の会見で「可能性は低い」との見方を示した。

 北朝鮮は昨年、中距離の「ムスダン」を8回試射したが、そのうち7回が失敗とみられている。小都氏は「3回成功すれば、設計がうまくいっているといえる」との目安を示す。開発成功の判断は今後にかかっているといえそうだ。

最終更新:5/16(火) 10:00

産経新聞