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<独首相>仏新政権を全面的支援 EU改革案に理解

毎日新聞 5/16(火) 19:21配信

 【ベルリン中西啓介、パリ賀有勇】マクロン仏大統領は15日夕(日本時間16日未明)、ベルリンを訪問し、メルケル独首相と就任後初の首脳会談を行った。両首脳は欧州連合(EU)と単一通貨ユーロ圏の改革に関する「ロードマップ」(行程表)を作成し、英国離脱問題で揺れるEUをけん引していく決意を表明。メルケル氏はマクロン氏が唱えるEU条約改正を伴う改革案にも理解を示し、フランス新政権の実績づくりに向けて全面的に支援する姿勢を示した。

 会談後の記者会見で、メルケル氏は「欧州が順調にいくには、強いフランスがなくてはならない」と語り、独仏が新規共同事業を進めることで合意したことを発表した。事業内容を協議するため仏国民議会(下院)総選挙後の7月に、両国政府の閣僚会合が開かれる。マクロン氏は「経済や教育、外交安保などがテーマ」とし、閣僚会合で中期的なEU改革の行程表についても議論するとした。

 仏大統領選では、緊縮財政を強いるEUへの不満から、反EU候補が根強い支持を集めた。成果の見えるEUを目指すマクロン氏は選挙戦で、ユーロ圏共同予算や財務相の設置を訴えた。財政危機に陥った国への早期対応が可能になるが、EU条約改正を伴うため、独政界でも実現を疑問視する声が強い。

 だが、メルケル氏はこの点でも「両国で何をしたいか協議し、条約改正が必要なら、やる用意がある」と擁護。欧州統合の深化を訴えたマクロン氏が口約束で終わる事態を避けるため、メルケル氏はEU抜本改革に向け踏み込んだ発言をした形だ。マクロン氏も「我々にタブーはない」と述べ、独仏関係が新たな領域に入ったことを印象づけた。

 一方、ドイツの信用を背景に、ユーロ圏の国が債券を発行できるユーロ圏共同債の導入について、マクロン氏は「古い債務の共有化は責任感なき政治につながる」とし、支持しない考えを表明。ドイツ側が財政統合の一つの「境界線」と見る問題で、配慮を示した。

 メルケル氏は「政策実現の前提条件になる国民議会選での健闘を祈ります」と述べ、マクロン氏率いる親EU新党に対し、異例とも言える支持を表明。両首脳は絶えず笑顔を交わすなど、和やかな雰囲気を演出した。

最終更新:5/16(火) 19:21

毎日新聞