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中国、国有企業頼み 「一帯一路」ワンマンショー批判一蹴

産経新聞 5/16(火) 7:55配信

 【北京=藤本欣也】中国の習近平政権が掲げる現代版シルクロード経済圏構想「一帯一路」をテーマとした初の国際会議が15日、閉幕した。提唱から3年以上が経過し、習政権は一帯一路の名の下に国家戦略を着々と進めている。しかし国有企業の忠誠競争などに支えられているのが実情といえ、経済圏の拡大には主要国の参加がカギを握る。

 ミャンマー西部チャオピュー。今月に入り、同港から中国国境までを結ぶ原油パイプライン(全長771キロ)が本格的に稼働した。

 4月中旬には、カザフスタンから中国へ延びる天然ガスの新たなパイプライン(全長1454キロ)が整備された。中国にとって、米国の影響力が強いマラッカ海峡を経由せず、エネルギー資源を輸入することが長年の課題だった。

 ミャンマーやカザフスタンで進めた一帯一路のプロジェクトは、中国のエネルギー安全保障に大きく寄与することになった。

 しかし中国が一帯一路で強調するのは、「共同協議、共同建設、共有」の理念であり、「ウィンウィン(相互利益)」の精神だ。

 「米欧では『一帯一路はウィンウィンではなく、中国にコントロールされている』との批判があるが-」

 中国外務省報道官は今月5日の記者会見でこう質問され、「中国はワンマンショーをするつもりはない」「もしそうであるなら、今回の国際会議への参加予定国が110カ国にも上らないはずだ」と反論した。

 中国政府は今月8日にも、代表的な国有企業47社がこの3年間で、一帯一路沿線国のプロジェクト計1676件に投資・参加していると発表。ウィンウィンを強調した。

 とはいえ、今後、一帯一路が拡大していくには、資金面においても米欧企業などの参加が必要となるが、青島大学経済学院の易憲容教授は「中国の国有企業だけが投資先の地政学上のリスクに目をつぶり、中国共産党指導部への忠誠を示すチャンスととらえようとしている」と指摘、米欧企業との協力拡大に悲観的な見方を示す。

 確かに、一帯一路沿線国には治安が不安定な地域が少なくない。一帯一路に含まれる「中国・パキスタン経済回廊」の拠点の一つ、パキスタンのグワダル港で13日、武装グループの襲撃事件が発生し、パキスタン人の建設作業員ら9人が死亡。改めてリスクが浮き彫りになっている。

最終更新:5/16(火) 9:57

産経新聞