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18季ぶりV!名門・フェイエ復活の秘密 財政難クラブの努力実った

スポニチアネックス 5/16(火) 9:30配信

 ◇オランダリーグ・最終節 フェイエノールト3―1ヘラクレス(2017年5月14日)

 元日本代表MF小野伸二(37=札幌)が01~05年に在籍したフェイエノールトが、18シーズンぶりに復活Vを成し遂げた。14日に最終節ヘラクレス戦で主将の元オランダ代表FWディルク・カイト(36)がハットトリックをマークし、3―1と快勝。勝ち点82で2位アヤックスを1差で振り切り、98~99年シーズン以来となる15回目の優勝を決めた。優勝33回のアヤックス、同23回のPSVとともに“ビッグ3”の一角を占める名門が、長い低迷期を乗り越えて王者に返り咲いた理由とは。

 ロッテルダムが18年ぶりの熱狂に包まれた。フェイエノールト主将のカイトがピッチ中央でシャーレ(優勝皿)を高々と掲げると、本拠地デカイプを埋め尽くした約5万人のサポーターの熱狂は頂点に達した。

 「夢がかなった。欧州CLとW杯の決勝でプレーしたが、これがキャリア最高の瞬間だ」。リバプールで07年欧州CL決勝、オランダ代表で10年W杯決勝と、ともに涙をのんだ36歳ベテランが大一番で本領を発揮。4試合ぶりに先発起用されると、開始40秒で転倒した相手DFからボールを奪って先制点を決めた。

 勝てば優勝が決まった前節エクセルシオール戦で0―3の大敗。ファンブロンクホルスト監督は「試合開始から自分たちを見失った」と経験不足を嘆いていただけに、カイトは先制弾で若いチームを重圧から解放した。前半12分にダイビングヘッド、後半39分にダメ押しPK弾とハットトリックで優勝に花を添えた。

 経験だけでなくフェイエノールトでプレーする誇りも伝授した。03~06年に所属した古巣に15年に復帰。「2年前、優勝できると言うとみんなに笑われた」。財政難で10~11年は10位にまで転落したチームにファンブロンクホルスト監督とともに“勝者のメンタリティー”を注入。「アヤックスと引き分けて喜ぶようなことはあってはならない。満足できるのはタイトルを手にした時だけ」と厳しく言い続けた。

 クラブの努力も実った。財政難で補強資金がないため育成に注力。生え抜き選手が引き抜かれると、その移籍金で地味ながら実力派の中堅選手を補強した。象徴が今季FCコペンハーゲン(デンマーク)から加入した26歳FWヨルゲンセン。移籍金350万ユーロ(約4億3400万円)の“格安選手”が得点王となる21点を挙げ、開幕節から一度も首位を譲らない完全優勝の原動力となった。

 現役時代バルセロナなどで活躍したファンブロンクホルスト監督は、15年にコーチから昇格。監督経験がないことが不安視され、同年12月~16年2月に7連敗を喫した。それでもクラブは解任せず、元オランダ代表監督のアドフォカート氏をアドバイザーに迎え、一丸となってOB指揮官を支えた。「選手時代に多くの経験を積んだが、これが人生で一番美しい瞬間だ」という同監督が、カイトと二人三脚で名門を復活に導いた。

最終更新:5/16(火) 10:50

スポニチアネックス