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テロ等準備罪を考える 「一般人も捜査」は野党の言葉遊び

産経新聞 5/16(火) 7:55配信

 一般人は捜査対象に100%ならないのか-。「テロ等準備罪」を新設する組織犯罪処罰法の改正案をめぐり、野党が国会でこんな質問を繰り返している。テロ組織や暴力団など組織的犯罪集団に対象を限定しているものの、一般人に対する刑事告発の場合、「捜査しなければ、嫌疑があるかないか分からないのではないか」(民進党・逢坂誠二衆院議員)というのだ。

 これに対し、検察幹部の一人は「言葉遊びだ」と、ため息交じりで話す。告訴・告発が捜査機関に持ち込まれ受理されると、嫌疑の有無を確認することになる。嫌疑が不十分であったり、嫌疑が全くなかったりすれば、さまざまな事情を考慮して検察官が不起訴にし、具体的な嫌疑があれば、本格的な捜査に着手するという流れだ。

 検察幹部は「嫌疑があるかどうか確認するのも捜査と言うことがあるが、それは嫌疑を前提としないから実質的な捜査ではない」と指摘する。もし一般人がテロ等準備罪で告発されれば、一時的には被告発人として嫌疑の有無を確認することになる。だが、一般人である以上、それは容疑者としての捜査ではない。

 逮捕や家宅捜索などの強制捜査も捜査なら、嫌疑の有無を確認するだけでも捜査。同じ用語ではあるが、内容は全く別物だ。にもかかわらず、「一般人は捜査の対象外」とする政府見解に対し野党は、告発された場合は「捜査対象になるではないか」と主張して「言葉遊び」をしているのだ。

 テロ等準備罪は「組織的犯罪集団であることの立証ハードルは高く、指揮命令系統や任務分担の立証をしなければならない」(法務省幹部)ほど構成要件が厳格化されている。一般的な社会生活を送る国民の中に、そのような集団に所属し、かつ任務を分担されている人がいたとして、「何らかの嫌疑がある段階で、一般の人ではないと考える」(盛山正仁法務副大臣)のはごく自然のことである。(大竹直樹)

最終更新:5/16(火) 7:55

産経新聞