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<衆院区割り>暫定色濃く 法案閣議決定、再び格差拡大も

毎日新聞 5/16(火) 22:16配信

 政府は16日、衆院選の「1票の格差」を是正する「区割り改定法案」を閣議決定し、国会に提出した。2015年国勢調査人口を基に試算すると、20年まで最大格差はぎりぎりで2倍未満に抑制される見通しだ。ただ、今回の改定は暫定色が濃く、22年以降に予定される抜本改革までに格差が再び広がる懸念はぬぐえない。

 与党は同法案を今国会で成立させる方針。施行は7月ごろの見通しで、その後の衆院選は新たな区割りで実施される。

 今回の改定により、青森、岩手、三重、奈良、熊本、鹿児島の6県で小選挙区数はそれぞれ1減する。比例代表も東北、北関東、近畿、九州ブロックで定数が1ずつ減る。衆院定数は現行の475から戦後最少の465(小選挙区289、比例代表176)になる。

 衆院選挙区画定審議会は4月19日の勧告で、小選挙区数が減る6県を含む19都道府県の97選挙区で区割りを見直した。対象選挙区が過去最多になったのは、司法から最大格差を違憲と断じられる事態を回避するためだ。

 複雑な線引きの結果、最大格差は20年見込みで1・999倍にとどまる。しかし、東京一極集中が是正されない限り最大格差はいずれ2倍を超えるとみられ、小手先の改革は限界だ。自民党内では「大規模な区割り変更は有権者の混乱を招く」という不満がくすぶる。

 人口比をより反映して議席を配分する「アダムズ方式」の導入は20年国勢調査の結果を待つことになる。【松倉佑輔】

 ◇野党が駆け引き…岩手

 小選挙区の全議席を自民党が占める青森県や熊本県では党内の候補者調整が難航しそうだ。一方、岩手県では野党間の駆け引きが始まっている。

 同県の4選挙区のうち野党の現職は民進党の階猛氏(1区)と黄川田徹氏(3区)、自由党の小沢一郎共同代表(4区)の3人。次期衆院選での民進、共産、自由、社民4党の野党協力に向け、黄川田氏と小沢氏の処遇が焦点だ。

 民進党県連は14日、新3区の総支部長に黄川田氏を充てる方針を確認した。県連幹部は「話し合いの前提としてわれわれの候補を示した。今後は党本部の案件だ」と述べ、現時点で小沢氏に譲歩するつもりはない。

 これに対し、小沢氏は16日の記者会見で「有権者の信頼が厚い人を統一候補にすればいい。僕が黄川田君より新3区で支持が少なかったら、僕は辞める」とけん制した。

 比例代表の復活当選3人を含めて全選挙区に現職がいる自民党も頭を悩ませる。同党県連関係者は「党員投票による予備選が一番すっきりする」と語った。【佐藤慶】

最終更新:5/16(火) 22:58

毎日新聞