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土俵際、綱の執念=右足で残した稀勢の里-大相撲夏場所

時事通信 5/16(火) 21:08配信

 稀勢の里の右足が俵にかかった。千代の国に右を深く差され、寄り立てられた土俵際。けがを抱える左腕で中途半端に小手投げを打ったことで一瞬流れを悪くしたが、踏ん張って耐えた。根負けした相手の引きに乗じて一気に逆襲。満員の館内の悲鳴を歓声に変えた。

 一発でねじ伏せるような力が左腕に戻っていなくても、「何があるか分からないから。最後までね」。絶体絶命の場面を静かに振り返る口調に、横綱の意地が見えた。

 けがの影響で本格的な稽古ができない間、四股やウオーキングで徹底的に足腰を鍛えた。巡業で胸を借りたことがある千代の国も「右があれだけ深く入ったはずなのにすごかった。重かった」と言うほど違いがあった。

 初日につまずいたものの、すんなり白星も先行。「まあ、いい状態でやれている。いいんじゃないですか、しっかり一日一日やるだけだと思いますよ」。場所前は弟弟子の高安らと十分な手合わせをできず、いつもと勝手の違う調整となったが、本土俵で密度の濃い一番を取ることが何よりの良薬になる。

最終更新:5/16(火) 21:15

時事通信