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農業データ一元化 精度高め経営支援 慶應大や大手企業

日本農業新聞 5/16(火) 7:01配信

 慶應義塾大学と農機メーカー、通信大手など23社・団体は15日、農業に関連するデータを大手企業間で共有するプロジェクトを東京都内で発表した。各社が個別に展開する農業の情報通信技術(ICT)データを一元化し、企業の壁を越えて集まる膨大な情報から、農家は多様で精度の高いサービスを受けられるようになる。経験に裏付けられた熟練の技術などを数値化することで、新規就農者が早く技術習得できる仕組みとしても期待が強まる。年内にシステムの運用を始め検証する。

 データ共有の仕組みは「農業データ連携基盤(プラットフォーム)」という。内閣府が進める戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)の一環。参画企業は19社で、井関農機、クボタ、ヤンマー、情報通信のNEC、NTT、ハレックス、ソフトバンク・テクノロジー、パナソニック、日立ソリューションズ、富士通など。JA全農や農研機構、日本農業法人協会、同大も加わる。

 参画企業は、生育予測などの農業ICT、農機による圃場(ほじょう)の収量データ、センサーによる気象観測などのサービスを展開し、多くの情報を持つ。現状、情報は企業内にとどまっている。プラットフォームでデータを統一・集積し、他社のサービスにも活用できるようにする。市況や資材、研究機関の栽培データも組み合わせ、経営に役立つソフトなどの形で農家に提供する。

 データを集めて農家の勘や経験を数値化し、新規就農者に伝える仕組みも強化していく。集まった膨大なビッグデータを解析し、金融や保険といった農家が必要とする商品づくりにもつなげる。

 プロジェクトを調整する同大の神成淳司准教授は「農家にとっては従来よりも拡充され、新しい農業ICTサービスが使えるようになる。情報を提供するインセンティブ(動機付け)として農家に利益が戻る仕組みも検討したい」と説明する。

 2017年内に「農業プラットフォーム」の試用版を作り、19年4月にはサービスを本格提供する計画だ。

日本農業新聞

最終更新:5/16(火) 7:01

日本農業新聞