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企業にまた“環境リスク” 違法伐採防ぐ「クリーンウッド法」施行

日刊工業新聞電子版 5/16(火) 15:00配信

 「合法伐採木材等の流通及び利用の促進に関する法律」(クリーンウッド法)が20日、施行される。海外での違法な森林伐採をなくすため、合法的に切り出した木材の使用を企業に求める。努力義務なので違法伐採木材を利用しても罰則はないが、非政府組織(NGO)や投資家が木材利用に厳しい目を向けており、企業は合法性の確認を迫られる。木材関連事業者は、合法性の証明が事実上の取引条件になりそうだ。(編集委員・松木喬)

新法の要は「登録木材関連事業者」

 「原料は認証材ですか」―。2月末、ある段ボールメーカーに取引先から問い合わせが来た。認証材とは、適切に管理されたと第三者が認めた森林産の木材。森林認証と呼ばれ、「FSC(森林管理協議会)」「PEFC」マークが有名だ。認証材は一般の木材より割高になる。
 前述の取引先はクリーンウッド法を誤解し、認証材で作った段ボールを購入する必要があると思い込んでいた。クリーンウッド法は認証材の使用を強制していないが、こうした誤解が生じるほど産業界のクリーンウッド法への関心が高まっている。
 クリーンウッド法は、政府機関が合法木材を調達する「グリーン購入法」と同水準の取り組みを民間に求める。木材を扱う事業者を「木材関連事業者」と定義。丸太、製材、合板、家具、製紙、住宅メーカーなどが該当する。木材を燃料とするバイオマス発電事業者も含む。ただし、古紙を原料とした製品は除く。小売業も除いた。
 「登録木材関連事業者」(登録事業者)が新法の要となる。合法木材を扱っていると宣言した企業に登録事業者になってもらう。輸入業者などサプライチェーンの上流側の企業の登録を想定する。
 登録事業者は伐採国・地域の購入先の名称などの情報、合法証明書を入手し、販売先に伝える。製材工場なら登録事業者から丸太を購入すれば、自ら合法性を確認しなくてもよい。国は秋にも登録事業者の受け付けを始める。登録事業者が違法木材を国内に流通させない“防波堤”となる。ただし、登録事業者は合法性を確認できない木材も販売できる。

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最終更新:5/16(火) 15:48

日刊工業新聞電子版