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米大学にも津山藩火消し行列絵巻保管 完品か、郷土博物館所蔵と同内容

山陽新聞デジタル 5/16(火) 23:45配信

 津山郷土博物館(岡山県津山市山下)所蔵で旧津山藩松平家の火消し行列を描いた絵巻と同じ内容の絵巻が、米ユタ州の大学で保管されていることが分かり、同市が16日発表した。全5巻で、計3巻しかない津山の絵巻の完品とみられる。同博物館は、米の絵巻の方が精密なことから津山の絵巻は控えである可能性が高いと分析している。

 米の絵巻は「浅草御蔵(おくら)防火隊行列図巻(ずかん)」との表題で、1~3巻にそれぞれ大纏(まとい)、梯子(はしご)、釣瓶(つるべ)などからなる行列、4巻には藩主を含む「御出馬行列」が描かれている。5巻には津山藩松平家が浅草米蔵の防火役を幕府に命じられた1859(安政6)年4月26日の日付などが記されていた。

 絵巻は、歴史調査の一環で博物館(現在の東京国立博物館)の依頼で明治前期に松平家が作製したとされる。津山の絵巻は、戦後に松平家から寄贈された2~4巻で、表題の記述がなく、全5巻であることは今回初めて判明した。

 両絵巻を比べると、行列の中で順番が異なる部分があるほか、米の絵巻では藩主の衣装の模様が細かく描写され、ちょうちんに松平家の家紋「三つ葉葵(あおい)」が描かれている。

 米の絵巻は、米の資産家らの手を経て1965年にユタ州のブリガム・ヤング大が購入していた。研究中の同大教員がほぼ同じ絵巻を掲載した津山郷土博物館のちらしをインターネットで発見したことで存在が分かった。

 同博物館の小島徹学芸員(46)は「労力の必要な絵巻がもう一組、しかも米国にあることに驚いた。津山藩や松平家の歴史研究の大きな手掛かりとなる」とし、今後も比較検討を進める。同博物館では二つの絵巻について解説するコーナーを夏ごろまで設置する。問い合わせは同博物館(0868―22―4567)。

最終更新:5/16(火) 23:53

山陽新聞デジタル