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中国、日本語ガイドは「冬の時代」 旅行客激減「うまくいきませんね」

西日本新聞 5/16(火) 11:57配信

 浙江省の農村部を訪ねたときのこと。地元政府の50代男性が操る日本語に驚いた。おやじギャグも織り交ぜる巧みさ。てっきり日本生活が長いのかと思いきや「大学で勉強しただけです」と聞き、舌を巻いた。

 男性が学生時代を過ごした1980年代は大学自体少なく、合格者もわずか。「一生の仕事になると思って真剣に学んだ」という日本語専攻者が多い。さまざまな分野で今、日中の懸け橋として活躍している。

 中国の大学では受験の成績に応じ、希望と別の専攻に回されることがある。日本のアニメが好きで日本語を選ぶ人がいれば、意に沿わず学ぶ人も少なくない。

 昨年の日本語作文コンクールで最優秀賞に輝いた男子学生(22)も日本に好印象がなく、日本語専攻に決まって落ち込んだという。入学後、日本人教師との出会いで気持ちが変わり、大学院でも勉強を続けると聞いて、うれしくなった。

 国際交流基金の2015年度の統計によると、学校などで日本語を学ぶ人は約95万人。12年に比べ9万人減った。近年の日中関係や日本企業の撤退もあって「日本語学習熱は低迷気味」と気をもむ日本語教師もいる。とはいえ、訪日旅行ブームは継続中。独学の人も相当数いるようだ。

 一方、日本語ガイドは「冬の時代」だ。例えば、かつて広東省広州市の旅行会社にはガイドが20人いたが、12年の反日デモを機に日本人旅行客が激減。「日本語部」という部署も解散したという。「中国人が日本に行く時代になったら、日本人は来なくなった。うまくいきませんね」。ガイドの男性はさびしそうだった。

西日本新聞社

最終更新:5/16(火) 12:14

西日本新聞