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「別世界」が日常にある喜び アマチュア劇団「麦の会」70周年 20日から記念公演

カナロコ by 神奈川新聞 5/16(火) 22:38配信

 戦後間もないころ旗揚げし、本業と両立しながら演劇活動を続けてきた横浜のアマチュア劇団「麦の会」が70周年を迎える。20、21日を皮切りに記念公演を展開。演劇という「別世界」が日常にある喜びをかみしめ、劇団員は稽古に追い込みをかけている。

 麦の会は県内で盛んなアマチュア演劇の中でも有数の老舗だ。1947年、戦禍の残る横浜市でYMCAの演劇研究会として発足、戦争の生々しい記憶を抱きつつ表現の自由と生の意味を追究した。現在は神奈川区に稽古場を構える。

 今回の演目は「毒舌と正義」(古城十忍作、劇団麦の会演出)。舞台は、高校の修学旅行先の旅館。生徒の暴力事件を機に、引率教員が対処を巡り議論を交わす。あつれき、責任のなすり合い…。大人の嫌な部分があらわになる会話劇だ。近年はコミカルな作品が多い麦の会には珍しい。

 「いつもと違う作品に挑戦しようとあえて選んだ」と劇団員の小金井敏邦さん(59)は話す。「どう相手を怒らせるかばかり考えている」とは、主演の古澤亮さん(46)。ギスギスした人間関係が凝縮された長ぜりふを真剣に話すほどに滑稽さがにじみ出て、喜劇とは違った笑いを誘うという。

 今後は秋にオリジナルのショートストーリー、来年は麦の会の人気演目である温泉旅館シリーズの上演が控える。30年前に入団し、今は一番の古株になった代表の山口雄大さん(48)は「仕事で嫌なことがあっても、稽古のある木曜夜には『もう一つの世界』が広がる」と、演劇活動の喜びを説明する。「70年間守ってくれた先輩の志を受け継ぎたい」と力を込めた。

 公演は横浜市中区の横浜にぎわい座地下小ホール「のげシャーレ」で。20日は午後2時からと同6時から、21日は同1時から。料金は一般2500円など。問い合わせは同劇団電話090(1806)2008。

最終更新:5/16(火) 22:38

カナロコ by 神奈川新聞