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中国の鯨に圧力、中銀が世界最大MMFへの資金流入抑制図る-関係者

Bloomberg 5/16(火) 12:51配信

中国人民銀行(中央銀行)が金融市場へのリスクを抑制するため、アリババ・グループ・ホールディング系の企業に対し、マネーマーケットファンド(MMF)「余額宝」に個人が投資できる上限金額を引き下げるよう促している。事情に詳しい関係者が明らかにした。

余額宝は世界最大のMMF。人民銀からの連絡を受け、現在は100万元(約1650万円)の投資上限を半分以下に引き下げる。機密情報だとして、関係者が匿名を条件に語った。上限引き下げは今月中にも実施され、新規資金に適用されるという。

アリババ創業者の馬雲氏が経営権を握るアント・ファイナンシャル(螞蟻金融服務集団)が傘下に置く天弘基金管理が運用する余額宝は銀行預金よりも高いリターンが売りで、4年前の設定以降に中国人投資家3億2500万人ほどから資金を集めた。米国の人口にほぼ匹敵する人数だ。余額宝の資産は3月までに1兆1400億元に達し、「JPモルガン米政府MMF」を超える規模となった。

この規模拡大によって、MMF資金の大半が投資される中国銀行間市場に与える影響への懸念が強まった。ムーディーズ・インベスターズ・サービスは先週、余額宝が比較的長期の資産により多くの資金を投じるようになってきており、この傾向が続けば流動性リスクを高めると指摘した。

人民銀からは今のところ、コメントを得られていない。天弘基金管理の代理人はテキストメッセージで顧客による余額宝の口座への資金移動は通常通りだと説明した。アントにもコメントを求めたが、これまでのところ返答はない。

米国でのMMF規制を振り返れば、余額宝に対する今回の動きが結果につながる可能性はあり得る。昨年10月の米規制は2008年の金融危機を踏まえてMMFをより安全、より透明にすることが目的だったが、金融機関や民間企業が発行するコマーシャルペーパー(CP)や譲渡性預金(CD)などで運用するプライムMMFから1兆ドル(約113兆円)の資金が一斉に引き揚げられ、CPが金融危機以来の高水準に上昇。借り手企業は別の資金調達手段探しを余儀なくされた。

原題:World’s No.1 Money Fund Said to Face Pressure to Cut Inflows (1)(抜粋)

Jun Luo, Heng Xie, Helen Sun

最終更新:5/16(火) 12:51

Bloomberg