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年平均10万円単位の節税に期待 政府が本気で乗り出した長期資産形成奨励策

5/22(月) 15:40配信 有料

THE PAGE

 ゼロに等しい貯蓄金利の日本では、いつまでたってもそれをもとに資産の増殖効果は得られないのみならず、それに依存することは危険です。日本の財政赤字は対国内総生産(GDP)比において世界で突出して高いのです。政府は、経済成長と消費税増税による長期的赤字対応を訴えていますけれど、実現性は皆無でしょう。

 少子高齢化も世界で突出しています。すでに65歳以上が人口の1/4強となり、今後医療、介護、年金などの社会保障負担は増える一方です。口には出さなくとも、国民自身がそれを最も強く認識しています。ですから、国民年金保険の納付率は被保険者全体の40%程度に留まっています。真面目に保険料を支払っている者がバカを見るように思えます。もらえる年金額も減っているため、豊かな老後生活を送るための資金は自助努力で貯める以外に方法はありません。そして個人の自助努力を喚起する「貯蓄から投資」は、日本政府の切実な訴えとして作られたスローガンです。(解説:あおぞら証券顧問 伊藤武)


  わかりにく言葉「フィデューシャリー・デューティー」とは?

  昨年来、金融庁が金融業者に発信しているキーワードは「フィデューシャリー・デューティー」です。誰も分からない語彙です。的確な日本語訳がないので、意味の分からない英語が使われています。

 その趣旨は、個人投資家に対し、手数料稼ぎに注力している金融業者に対する厳しい警鐘です。何を意味するかと言いますと、金融業者は顧客の資産管理に関し、受託者責任を負い、投資家本位のサービスに徹しなければならない義務です。

 今までは、投資家に対し勧誘する投資商品の「適合性」基準に従う義務を負っていました。従って、この連載でもその説明を掲載した通り、顧客の投資経験や投資目的を取引の基準とし、それに適合すれば、投資家のためにならないと考える商品を勧誘しても問題とはなりません。

 ところが、フィデューシャリー・デューティーは商品適合性とはまったく異なった概念です。例えば、販売手数料および信託報酬が多額で業者が儲かるブラジル株投信を販売したところ、組み入れられている株価が暴落し、大きな為替差損が生じたとしましょう。適合性基準に満たす勧誘では、もし投資家が購入の際、それに同意していれば、投資家の自己責任とみなされます。その投資家がリターン目的の魅力に囚われ、潜在リスクを十分理解していたかは、資産管理者の観点からは疑問です。真に投資家本位の販売行為とは言えないでしょう。


 
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最終更新:5/29(月) 6:09
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