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師匠が稀勢に厳格指令!出るなら「全部勝て」 北の富士氏は対照的「11勝すれば御の字」

夕刊フジ 5/17(水) 16:56配信

 左上腕、左胸などの負傷を押して強行出場している横綱稀勢の里(30)=田子ノ浦=は、東前頭筆頭の千代の国(26)=九重=に大苦戦したが押し出しで下し、2勝1敗で白星を先行させた。

 初顔の千代の国に土俵際まで追い詰められ、右足一本で残る防戦一方の展開から大逆転勝利。「相手は気合が入っていたね。(土俵際でも)まだいける感覚があった。そこだけしか自信がないから。(自分は)まだ若手だから」とコメントには余裕があった。

 土俵下で審判を務めた師匠の田子ノ浦親方(元幕内隆の鶴)を直撃すると、「危なくみえたけど腰が重いので残れると思いました。突き落としにいかないで、必死に残そうとしていたから。あれだったら残れる」と納得の表情。

 初日に嘉風に敗れた際には「(土俵際で)突き落としにいかないで、もう少し自信を持っていってほしかった」と苦言を呈しており、見事に的中した格好だ。

 稀勢の里は春場所後の稽古で相撲を取ることはできなかったが、その期間にじっくり足腰を鍛錬。「四股、すり足や基本的なことだけではなく、土俵以外でもトレーニングをやっていると思うので、そう簡単には押されない」と師匠が説明する。

 田子ノ浦親方は「出る以上は、どこが悪いとか、そういうのはない。横綱なんですから、出るからには勝たなければいけないのは当然。ただ勝つだけではなく、全部勝つつもりでやってほしい」とキッパリ。

 NHKテレビで解説を務めた北の富士勝昭氏が手負いの稀勢の里に「11勝すれば御の字」と15日皆勤すれば十分とみているのとは対照的。師匠としてファンの期待に応えてもらいたいという思いが強いのだろう。

 初日に敗れた時点では、誰もが休場に追い込まれる可能性が高いと感じたが、あの“角聖”双葉山以来80年ぶりの、初優勝からの3場所連続Vがかかっており、2度とないチャンスだ。

 田子ノ浦部屋付きの西岩親方(元関脇若の里)は「今日は相手がよかったし、(土俵際で)残せたのでよかった」とホッと一安心。

 「みんな心配しているけど、まだ1つ負けただけだから。これから白星が増えてくるにつれて、相撲勘も戻ってくると思うし、いい方向にいくと思います」と続けた。

 薄氷を踏む勝利ではあったが、春場所で絶体絶命の状況から“ナニワの奇跡”と呼ばれる逆転優勝を成し遂げただけに、今場所再び奇跡を起こさないともかぎらない。 (塚沢健太郎)

最終更新:5/17(水) 16:56

夕刊フジ