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改めて見直すストライカー岡崎慎司…バーディーとの比較と今後への期待とは?

GOAL 5/17(水) 11:45配信

この30日間でUEFAチャンピオンズリーグ(CL)1試合、プレミアリーグ4試合に出場して1得点を記録した岡崎慎司。レスターは2勝1分け2敗(CL準々決勝セカンドレグのアトレティコ・マドリー戦は、ファーストレグとの合計スコア1-2で敗退)となっている。5月13日のマンチェスター・シティ戦でスペクタクルなボレーシュートを決めた。前線から攻守をけん引してきた男が久しぶりのストライカーとしての結果を出した格好だ。

今季はトッテナム戦とボーンマス戦の2試合を残すだけとなったが、さらにゴールを積み上げて激闘のシーズンを良い形で締めくくることができるのか。そして6月にはイランのテヘランでイラク代表戦を迎える。30日間のパフォーマンスを振り返り、ここからの課題と活躍を展望する。

▽4月18日(火)チャンピオンズリーグ アトレティコ・マドリー戦
試合結果:1-1(引き分け)
45分(途中交代)
評価:5.0

準々決勝のファーストレグで0-1と敗れていたレスターは前半で先制ゴールを許し、合計スコア0-2となった。そこから岡崎のポストプレーなどを起点に相手ゴールに迫ったが、密度の高い相手ディフェンスを破るためのラストパスが、ディエゴ・ゴディンとステファン・サヴィッチのタイトなマークと格闘する2トップのジェイミー・バーディーや、岡崎にピンポイントで合わず。

相手エースのアントワーヌ・グリエズマンを中心としたカウンターに対応するため、岡崎も前線から自陣に戻って上がり直した。相手に守備を固められると岡崎の動き出しにも味方から効果的なパスは出て来ない。1点を返した後半はアトレティコも多少間延びしたが、カウンターが持ち味であるレスターにはハードルの高く、岡崎の特徴が最も生かされにくい前半の内容だった。

▽4月26日(水)プレミアリーグ アーセナル戦
試合結果:0-1(負け)
20分(途中出場)
評価:5.5

3バックの相手ディフェンスに対して攻め手を欠いていたレスターは、0-0で迎えた後半途中、先発のレオナルド・ウジョアに代えて岡崎を投入。自陣で守る時間が長くなった状況でも、バーディーの背後からワイドに飛び出す動きで相手のディフェンスを縦に揺さぶった。

しかし、効果的な縦パスがなかなか入らないまま、終盤に相手のシュートがDFロベルト・フートの上半身に当たってコースが変わる不運な失点でリードを許すと、後半アディショナルタイムにFKのこぼれ球から岡崎が強引に狙うもDFのブロックに阻まれ、起死回生の同点ゴールはならなかった。限られた時間の中で存在感は示したが、流れの中で良い形でラストパスを受けられない傾向は変わらず。もどかしさの残る試合だった。

▽4月29日(土)プレミアリーグ ウェスト・ブロムウィッチ戦
試合結果:1-0(勝ち)
67分(途中交代)
評価:6.5

前半終了間際にプレミアリーグ63試合目で初アシストを記録し、最少得点での勝利に導いた。精力的なチェイシングを続けていた岡崎は右サイドで相手のミスパスを逃さず、ボールを拾った瞬間に倒れながら縦パスを送り、バーディーの抜け出しからのゴールをお膳立てした。

ただ、岡崎にとっては非常に悔やまれるシーンが後半立ち上がりに訪れた。左サイドに流れたバーディーのパスに反応して飛び込むも、惜しくもミートできなかったのだ。なかなか飛び出しに絶好のパスが来ない岡崎にとっては、もったいないチャンスではあった。ただ、ウェスト・ブロムウィッチと言えば前回の対戦で、前半のみで交代させられた相手でもあり、チームも岡崎も“リベンジ”を果たした結果と言える。

▽5月6日(土)プレミアリーグ ワトフォード戦
試合結果:3-0(勝ち)
63分(途中交代)
評価:6.0

CKからの先制点をはじめ効率的にゴールを重ねて完勝した試合。先発の岡崎は相変わらず前からの守備と精力的な飛び出しで前線を活性化させたが、ゴール前で味方からのラストパスが合うシーンはなく、前節アシストを記録したものの、公式戦23試合ノーゴールとなった。

リヤド・マフレズの追加点のシーンはロングパスを引き出す動き出しで貢献し、バーディーの惜しいシュートを演出するスルーパスなど、2点をリードした状況で交代する時にスタンドから大きな拍手が送られたのは正当な評価だろう。ただ、ハードワークやディフェンス、精力的な動きによる“見えないアシスト”は毎試合のように高く評価される部分であり、岡崎自身もしばしばコメントする様にゴールという結果がないとストライカーとしてはなかなか納得できるものではない。その意味では今季の岡崎を象徴する試合だった。

▽5月13日(土)プレミアリーグ マンチェスター・シティ戦
試合結果:1-2(負け)
73分(途中交代)
評価:7.0

クレイグ・シェイクスピア監督も「あのゴールがチームの士気を高めてくれた」と絶賛する、スペクタクルなゴールは左からのクロスにタイミングよく飛び出して左足のボレーで合わせた形だった。マフレズから左のマーク・オルブライトンに展開される間に、2トップを組むバーディーの縦の動きに2人のセンターバックが引っ張られ、その手前に出たボールに対してニコラス・オタメンディがバランスを崩したところを逃さなかった。

前半すでに2点をリードしていた状況で42分に岡崎が1点を返したことにより、後半のレスターは前からの守備と攻撃的な姿勢を示したが、リヤド・マフレズのPKが反則を取られるなど最後まで追い付けなかった。73分に交代した岡崎は持ち前の運動量でチャンスの起点になったが、危険なシュートに持ち込むことはできず。勝ち点を獲得するヒーローにまではなれなかった。

■今後の課題

実に公式戦24試合ぶりとなるスペクタクルなゴールであり、結局チームは敗れたものの現地メディアからも称賛を浴びた。ここまで持ち前の攻守に渡るハードワークでチームをけん引する姿は見る者の感動を誘うものの、点を取るというストライカーの仕事をなかなか果たせず、クレイグ・シェイクスピア監督によるスタメン起用に懐疑的な声もあった。

その意味でも岡崎が正真正銘のストライカーであることを思い出させるゴールだったが、試合後の記者会見ではゴールの少なさを指摘する質問も出た通り、点を取るという仕事を継続的に果たせていないことも確かだ。プレミアリーグの公式データを見ると、レスターは今季のリーグ戦で401本のシュートを記録し、46得点を挙げている。その中で岡崎は29本のシュートで3得点。決定率はチームの平均とほぼ同じだ。

一方でコンビを組むバーディーは49本のシュートで12得点。PKによるゴールはなく、4本に1本がゴールに結び付いている。岡崎が1583分、バーディーが2834分であることを考えれば実はシュート数の割合はそう変わらないのだが、岡崎は枠内シュートが9本で全体の割合が31パーセントであるのに対し、バーディーは22本が枠内で45パーセントと大きく上回っている。

このデータを見るとシュートの正確性の差が得点に現れている様にも映るが、実際はバーディーの方がゴールに近いところから良い形でシュートに持ち込めているシチュエーションが多い。例えば岡崎は424本のパスを記録しているがバーディーは502本と、出場時間で比較すると岡崎の方がかなり多くパスをさばいている計算になる。

そうした役割の違いがあるものの、岡崎としては献身的にプレーできているから満足というわけには行かない。ハードワークのスタンダードを落とすことなく、いかにゴールに直結するフィニッシュに絡む回数を上げ、それを仕留めるか。その意味でもシティ戦でのゴールは良いイメージとして残っているはずだが、残された試合の中で、もう1つでも2つでも貪欲にゴールを取ることで先につながることは間違いない。

文=河治良幸

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最終更新:5/17(水) 11:45

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