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【ベトナム】日本製トマト選果機、ラムドン省で導入

5/17(水) 11:30配信

NNA

 ベトナム地場農業法人大手フォントゥイ農産は、中部高原ラムドン省ドゥクチョン郡の集荷施設にシブヤ精機(浜松市)の日本製大型トマト選果機を導入した。国際協力機構(JICA)事業の一環で、農作物を収穫した後の加工や選別、包装といった「ポストハーベスト」過程の高度化が狙い。ベトナム農業のポストハーベストにおける機械化が進めば、日本の機械メーカーにとっても市場開拓の契機になると期待される。
 ラムドン省リエンクオン空港から車で10分ほどの距離にあるフォントゥイ本社の集荷施設。ここに周辺130ヘクタールの農場からトマトやキャベツ、タマネギ、キュウリ、サラダ菜など30種類以上の野菜が運び込まれ、包装されてビンマートなど国内の大手スーパーに出荷される。
 シブヤ精機のトマト選果機は長さ10メートル程度はある大きさで、段ボールから作業員がトマトを放り込むとベルトコンベヤー上で洗浄と乾燥がされた後に色や大きさに従って10種類以上に選別され、それぞれのトレーに排出される。処理能力は100グラム程度のトマトであれば1時間に5万4,000個。フォントゥイのグエン・ホン・フォン社長は、「手作業で洗浄、選別していた労働者40人分の働き」と満足げだ。
 ラムドン省は肥沃(ひよく)な土地と冷涼な気候から国内屈指の農産地だが、スーパーなど近代小売店での販売や輸出促進には、有機栽培などだけでなく、手作業に頼るポストハーベストでの高付加価値化が欠かせない。フォントゥイへの選果機導入も、販売先のニーズへの正確かつ迅速な対応を目的に昨年夏に実現した。先進技術のショールームとなったフォントゥイには周辺の生産者などが視察に訪れる。JICA事業の委託を受けた青果商社の日興フーズ(東京都新宿区)の担当者は、「ベトナムの農業の活性化につながれば」と期待を込める。
 ■日本製農機、現地市場への適応が課題
 ラムドン省などで選果機や包装機などの普及が進めば、日本の農業機械メーカーにとっても商機が広がる。ただ今回のトマト選果機の場合、1台約5,000万円以上する費用は日本の政府開発援助(ODA)から支払われた。「もう少し小規模な機械であれば購入する農業法人もあるのでは」と語るフォン社長は、「ハイテクに投資する生産者が銀行から融資を受けやすくするような政策が必要」と提言する。
 日本製農業機械の普及に向けては、日本側の工夫も求められる。プロジェクトを支援したドリームインキュベータ(東京都千代田区、DI)の現地法人DIベトナムの宮内慎取締役は、◇市場のニーズから逆算した、価格や品質面での商品設計◇機械単品でなく、課題解決に向けて他のソフトなどと組み合わせた「システム」としての販売◇高付加価値な作物生産・加工の拠点を日越の官民連携で集約し、そこで現地ユーザー向けに日系機器のデモ・啓蒙も実施すること――をポイントとして挙げている。

最終更新:5/17(水) 11:30
NNA