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<眞子さまご婚約>女性宮家…男性配偶者の位置付け結論なく

毎日新聞 5/17(水) 8:00配信

 秋篠宮さまの長女眞子さま(25)の婚約が明らかになり、皇族の減少が差し迫った課題として改めて浮き彫りになった。結婚後も皇室に残る「女性宮家」を創設する議論など、皇族の減少対策が急務となるのは必至だ。19日には天皇陛下の退位を実現する特例法案が国会に提出される予定で、付帯決議で女性宮家について記述するよう求める野党の声も強まりそうだ。

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 皇族減少に関し、衆参両院の正副議長がまとめた3月の国会見解は、「女性宮家の創設等について、政府において特例法の施行後速やかに検討」と記し、結論の時期について「明示は困難」と「1年をめど」の両論を併記した。

 民進党への配慮だったが、4月21日に政府の有識者会議が公表した最終報告では「皇族数の減少に対する対策について速やかに検討を行うことが必要」となり、女性宮家という言葉は盛り込まれなかった。特例法案は天皇陛下の退位に限った内容で、安定的な皇位継承に関する付帯決議が与野党協議の焦点だ。

 婚約が明らかになる前の16日午後、自民党の竹下亘、民進党の山井和則両国対委員長は電話で協議し、審議入りまでに決議の内容で合意する必要があるとの認識で一致した。竹下氏は記者会見で「委員会に入る際にはきっちりした形にしたい」と述べた。

 ただ、女性宮家は、将来的に父方が天皇の血を引かない「女系天皇」が即位する可能性があるとして保守派が反対している。安倍晋三首相も慎重だ。一方、民進党は付帯決議に「女性宮家の創設」を入れ、特例法案施行から「1年をめど」に結論を出すよう求める。大串博志政調会長は記者団に「期限を区切った形で結論を出す方向で議論してほしい」と語った。民進議員は「眞子さまに適用できるよう秋の臨時国会で議論をしなければいけない」との認識を示すが、政府関係者は「おめでたいことに政治的意味を持たせるのはどうか」とけん制する。

 議論を詰めるほど、解決しなければならない課題も浮かぶ。野田政権では2012年10月、将来的な女性・女系天皇の議論は棚上げしつつ、女性宮家創設の論点整理をまとめた。しかし男性配偶者の位置付けの結論は出していない。民間人の男性配偶者を皇族とする例は過去になく、眞子さまを対象とする場合、お相手の男性を皇族とするか具体的な議論となる。一方で男性配偶者を民間人のままとすると、夫婦が皇族と民間人に分かれる複雑な家庭となる。「1、2年では結論は出ない」(官邸幹部)問題だ。しかも、それでも子供に皇位継承権はなく、安定的な皇位継承には直結しない暫定的な制度だ。

 婚約が、改めて憲法改正を目標に掲げたばかりだった安倍首相の政権運営に影響する可能性もある。自衛隊の存在を明記する9条改正の緊急性は薄い一方、皇族減少という課題が突きつけられたためだ。野党や世論が憲法改正より皇族減少対策の優先を求める声を強める可能性がある。【野口武則、樋口淳也】

 ◇ご結婚後、皇室18人

 眞子さまが小室圭さん(25)と結婚されると、眞子さまは皇室典範12条の「皇族女子は、天皇及び皇族以外の者と婚姻したときは、皇族の身分を離れる」との規定から、皇室を離れることになる。現在、皇室の構成は19人だが、眞子さまの結婚によって18人になる。また、眞子さま以外の未婚の女性皇族は6人で、結婚した場合は同様に皇室を離れる。未婚の男性皇族は秋篠宮ご夫妻の長男悠仁(ひさひと)さま(10)のみで、今後、皇室の活動の担い手がさらに減少することが予想される。

 天皇陛下は、昨年8月8日に公表した退位の意向がにじむおことばの中で「これからも皇室がどのような時にも国民と共にあり、相たずさえてこの国の未来を築いていけるよう、そして象徴天皇の務めが常に途切れることなく、安定的に続いていくことをひとえに念じ」と述べられ、皇室の構成員が減少することへの懸念を示されていた。

 昨年9月に宮内庁長官に就任した山本信一郎氏は、就任記者会見で、皇族の減少の問題について「皇室と国民のこれまで築かれてきた良き関係をいかに保っていけるのか。中期的に課題になるということはかねて問題意識を持ってきたところであります」と述べていた。【高島博之】

最終更新:5/17(水) 8:00

毎日新聞