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360度再生からイルミネーションまで! ソニーとボーズの新Bluetoothスピーカーを聴く

Impress Watch 5/17(水) 8:10配信

■春のアウトドアスピーカー祭り

 最近は急に冷え込んだり暑くなったりしているが、皆さんいかがお過ごしだろうか。関東地方では梅雨入りまでまだ少し間があり、GW以降、バーベキュー熱が再燃してきている人も多い頃かと思われる。

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 筆者も自宅の庭や川沿いの公園でバーベキューすることも多いのだが、そういうときに小型でもいいから、バッテリで動くスピーカーがあると便利である。この春にもまた数多くのBluetoothスピーカーが登場しているが、今回はこの春に発売されたソニーとボーズの防滴スピーカーから注目の製品を取り上げたい。

 例えば屋外まで飲食物を運んできた場合、ビールやコーラなど炭酸ものが思いのほかシェイクされていて、開けたとたんエラいことになるというケースはよくある。そういうときにスピーカーが防滴でないと、「始まる前に試合終了」になりかねない。そうなればテンションダダ下がりである。

 加えてイマドキの製品ならば、音質だけでなく、面白い付加機能も多少は期待したいところだ。あなたのハートに響く製品が見つかるだろうか。早速聴いてみよう。

■ソニーの4モデルをチェック

 ソニーではこの5月に、4モデルのBTスピーカーを発売した。ソニーのBluetoothスピーカーには、「h.ear go」というハイレゾ対応シリーズもあるが、今回の新製品は若干ターゲットが違い、ハイレゾ対応ではなく低域重視の「EXTRA BASS」シリーズを拡充させた。

 ざっくりいって“デカイのから小さいのまで”4モデルである。まずは基本スペックだけまとめておこう。実売はSRS-XB40が24,000円前後、SRS-XB30が19,000円前後、SRS-XB20が13,000円前後、SRS-XB10が9,000円前後だ。

 充電方法は、XB40/30がACアダプタ、20/10がMicro USBだ。XB40/30には、スマホなど外部機器に対して電源供給ができるよう、USB-A端子が付いている。

 SRS-XB40~20までの共通の特徴は、スピーカーにLEDライティング機能が付いたところだ。音楽に合わせて光で演出していこうというわけである。この機能もグレードがあり、XB40はマルチカラーのLEDライトほか、ストロボフラッシュ、スピーカーライトの3つが付いている。XB30にはマルチカラーのライトとフラッシュ、XB20は単色LEDライトのみである。

 管理アプリの「Music Center」を使うと、イルミネーションの動作タイプを変更できる。以前ソニーでは「Song Pal」というコントロールアプリがあったが、Music Centerはその後継となるアプリだ。

 XB40がもっともライト数が多く、ほかのモデルにはないポイントがいくつかある。1つはスピーカーライトで、白色LEDによってスピーカーが立体的に光る様子が見て取れる。スピーカーのコーンは黒なのだが、白色LEDによって一瞬白に見えるところが面白い。

 またXB40のみの機能として、DJ効果やライティング機能をマニュアルでコントロールできる「Fiestable」というアプリが提供される。

 DJ Controlでは、Notch、Noise、Jetをはじめとする複数の動作モードがあり、それぞれスマートフォン画面をスクラッチすることで、サウンドにフィルターや効果音を加えられる。Illuminationでは、画面のカラーホイールを操作してLEDライトを好きな色に好きなタイミングで変更できる。

 さらにモーションコントロール機能を使えば、スマートフォンを傾けたり振ったりする動作で複数のパラメータを同時に変えられる。音が出るものはリズムに合わせてジャストなタイミングで鳴らすのは難しいが、イルミネーションやフィルターは多少タイミングがズレてもわからない。

 これらの機能は自分1人でやっても空しさが倍増するだけで、複数人が集まった時に、誰かにやらせるというのが面白い。ただし音をいじるフィルターは、変にフィルターがかかったままでどうにもならなくなる事があるので、一発で全部OFFにリセットする機能が欲しいところだ。

 なおXB40~20までのモデルは、1台のXBをマスターとして10台程度まで接続できる「ワイヤレスパーティーチェーン」モードを搭載している。このモードで接続すると、1つの曲を同時に再生するだけでなく、イルミネーションも同期して光る。明るい部屋ではあまり面白くないが、部屋を暗くして数台のXBを光らせると、かなり気持ちいいだろう。ただし複数台を接続した場合、BluetoothコーデックはSBC固定となる。

 さらに2台の同型スピーカーを組み合わせて、L/Rに分離して鳴らせる「ステレオモード」にも対応している。XB10はモノラルスピーカーだが、2台集まればステレオで聴けるわけだ。他モデルも、左右を離して設置する事で、大きなステレオイメージを楽しむことができる。

■ボーズの2モデルのポイント

 一方でボーズの新製品は、360度全方位再生の「SoundLink Revolve」と、丸みを帯びた縦型の「SoundLink Color Bluetooth speaker II」をご紹介する。

 SoundLink Revolveには、もう一回り大きいモデルもある。パワフルな音響特性を持つ「SoundLink Revlolve+」だ。直販価格はSoundLink Revolveが27,000円、SoundLink Revolve+が37,800円。今回はよりポータブルなSoundLink Revolveのシルバーモデルをお借りしている。

 アルミ一体形成だというエンクロージャは、シリコンボディが多い今回のモデルの中では異彩を放っている。上部と底部にキャップがはまるような格好でシリコン素材が使われており、上部にコントロールボタンがある。防滴性能はIPX4相当で、バッテリ持続時間は最大12時間。Micro USBで充電可能だ。底面にある接点は、別売の充電クレードルを乗せて使用するためのものである。

 底部中央には三脚穴があり、カメラ用のアクセサリが使える。自立しにくい場所に三脚で置いたり、カメラストラップやゴリラポッドのようなものを使って木の枝からぶら下げたりと、色々な設置方法ができそうだ。360度全方向に音が出るので、どういうふうに置いても出音が変わらないのがポイントだ。

 ソニーだけでなくボーズのほうも、コントロールアプリの「BOSE Connect」を使えば、2台をリンクし、同時に同じ音楽を鳴らせる「パーティモード」が使える。

 もう1台の「SoundLink Color Bluetooth speaker II」は、2014年に発売開始された「SoundLink Color Bluetooth speaker」のリニューアルモデルだ。全体をシリコンでカバーしたデザインで、滑りにくいのが特徴。

 バッテリの持続時間は8時間で、Micro USBで充電可能だ。防滴性能はIPX4相当で、価格は16,200円(税込)。4色のカラーがあるが、今回はコーラルレッドをお借りしている。

■実際のサウンドを聴き比べ

 では実際にサウンドを聴き比べてみよう。楽曲としては低音が強調されたEDMあたりが最適なのだろうが、あまりこのジャンルには詳しくないので、比較的サウンドがEDMに近いOwl Cityの楽曲で聴き比べしてみた。今回はダイニング、車の中、お風呂場の3箇所で試聴している。

 まずはXBシリーズとしてはもっとも大型となるXB40だ。さすがにスピーカー容積が十分ある事から、低域の迫力は十分だ。床に置くと、高域の直進性からやや籠もった音に聞こえるが、本機は背面が平たいので、真上に向けて置くことができる。背面のパッシブラジエータを塞ぐことにはなってしまうが、これなら多くの人が均等に同じ音質で聴く事ができる。

 3つのLEDライトが点滅するのは、見ているだけでも楽しい。特にバスドラと連動して光るスピーカーライトは、視覚的にも低域が強調されているように感じる。日常的に部屋で聴くメインスピーカーとしても十分だろう。

 ただ車の中で聴くと、若干低域が多すぎるように思う。カーオーディオを頑張りすぎた「ドッコンドッコン車」のような感じになってしまうのだ。まあそういうのが好きな人からすれば最高なのだろうが、EDM以外のジャンルを好む人にはToo Mutchな感じは否めない。

 XB30はXB40よりも1サイズ小型だ。低域をガッツリ出しながら、バランスよく鳴るボディのギリギリ最小限度を攻めたモデルと言えるだろう。スピーカーライトはないが、ラインライトとフラッシュがあるので、そこそこ派手である。

 左右が短くなるので、XB40よりも若干ステレオ感は後退するが、サウンド的にはかなり似ている。部屋の一角に置いて離れて聞くと、XB40とあまり違いがない。

 バランスの良さが光るのは、車の中だ。XB40ほど低域が多すぎず、なかなかいいサウンドで聴かせてくれる。XB40も30も、サイズが微妙に大きいので、車の中ではダッシュボードに乗せて聴くしかないだろう。なお走行中にダッシュボードにモノを乗せたままだと危険なので、停車中に聴くことが前提である。

 XB20は、手で握ってしっくりくるサイズ感がポイントである。サウンド的には低域は頑張っているとは言え、上位2モデルに比べるとずいぶん後退する。その代わり高域の出が良くなっており、ボーカルものの明瞭感が高い。

 なお本機は背面が丸くなっており、床置きする際に上向きに設置する事ができない。加えて低域の出も厳しいので、背面のパッシブラジエータを塞ぐように置くのは厳しいだろう。

 ただコンパクトさを活かして、車の中では運転席下のちょっとした荷物置きスペースに滑り込ませることができる。運転者1人だけで楽しめればいいという場合には、丁度いいサイズ感だ。内蔵カーステレオがイマイチという方には、サブスピーカーとしていいだろう。

 お風呂の中で、もっともバランスが良かったのがXB20である。上位2モデルは低域が出過ぎで、お風呂の中では湯船に振動が伝わるほどだった。XBスイッチをOFFにすればいいのだが、それではXBシリーズを買った甲斐がないというものであろう。

 XB10は、1万円以下で買える低音強調エントリーモデルとして、中高生から注目を集めそうだ。通常は上を向けて聴くスタイルだが、スピーカーを自分の方に向けたい場合は、付属のストラップリング部を使えば、横置きも転がらないようになっている。

 こちらは元々EXTRA BASSボタンがなく、音響設計だけで低域を頑張る仕組みとなっている。元々のサイズが小さいので、それほど低域は期待できないが、音量はかなり出る。ただ、音量を上げすぎると高域がうるさい感じになるほか、低域にも歪みが生じる。他の上位モデルでは音量を上げても低域が歪むまではいかなかったので、やはりギリギリのキャパシティで頑張ってるモデルと言えそうだ。

 ただ同モデルが2個あれば、ステレオスピーカーになる点は評価したい。左右を離して設置すれば、かなり広い空間をステレオイメージでカバーできるだろう。

 ボーズのSoundLink Revolveは、モノラルスピーカーという点ではXB10に近い。だがXB10が上部に向かって音が出るのに対し、SoundLink Revolveは内部のリフレクターを使って360度周囲に音を蒔くという違いがある。

 ボーズは両機とも特に低域を強調するモデルではないが、同社特有の、音抜けに特徴ある低音の出方がするモデルである。特にSoundLink Revolveは、低域から高域までバランスのよいサウンドが気持ちいい。

 近くで聴いていると、ワンポイントで音が鳴っているのがわかるが、部屋の一角に置いて離れて聴くと、1箇所から音が出ている感じがしない。特にスピーカーに対して後ろ向きに立った場合、ブックシェルフクラスのステレオスピーカーが鳴っているのかと錯覚するほど、しっかりした音である。ダミーのスピーカーを置いて、真ん中にこれを置いておくと、多くの人がダミースピーカーが鳴っているものと勘違いするだろう。

 一見するとスピーカーには見えないルックスも、面白い。シルバーモデルはダイニングに置いておくと、「オシャレな調味料入れかな?」と思わせる。長居するダイニングやリビングに無骨なスピーカーを2個も置きたくないという奥様の不満にも、十分対応できるだろう。

 車での使用は、円筒形なのでカップホルダーに固定できるかなと期待したのだが、残念ながらもうちょっとのところで入らない。上下逆にすれば入るのだが、それではあんまりだろう。ちょっと広めのポケットがある車なら、そこに設置する事はできるはずだ。底部に三脚穴があるので、カメラ固定用の吸盤などを使って動かないように設置もできるはずである。

 お風呂場でも、広がり感も含めてソツなくこなせるのが、SoundLink Revolveである。どこに置いても満足度が高い、優等生だ。ただし防水性能がソニーXBシリーズから一歩下がってIPX4相当なので、シャワーがガッツリかかるような場所に置くことはできない。置き場所には注意が必要だ。

 SoundLink Color Bluetooth speaker IIは、同じくモノラルスピーカーだが、スピーカーが前面にあるので360度に音を蒔くというわけではない。小型モデルゆえに低域の張り出しはやや後退する印象はあるが、低域の音にはボーズ特有の感じがある。サイズや価格が変わっても、“ボーズっぽい音”というのが変わらないのが面白い。

 ただ、形状が特殊といえば特殊なので、車の中では微妙に置き場に困る。寝かせて物入れに置けば置けないこともないが、きちんと正対して置くにはうまいことどこにも収まらない感じだ。

 お風呂場の中では、意外にいいバランスで鳴ってくれた。ステレオじゃないのが惜しいところだが、お風呂場に馴染むルックスである点、濡れた手でも滑らない作りは加点ポイントだろう。

■総論

 ポータブルスピーカーで人気の両メーカーの新作だけあって、なかなか力の入った個性的な製品が揃った。

 ソニーの4モデルは、サイズと音のイメージがリニアに一致しており、アナログ的な音響設計の力量を感じさせる。EXTRA BASSはもちろんプロセッシングによって行なわれているのだが、それ以外の部分は比較的素直に素材の良さ、それぞれのコンセプトの面白さを引き出した格好だ。

 ライトが点くという発想も、米国ではパーティ向けスピーカーで見かけることはあるが、これぐらいの小型スピーカーで搭載する例は珍しい。ソニーはLEDライト型スピーカーもラインナップしており、光と音の組み合わせは1つのキーワードとなるのかもしれない。

 ボーズのSoundLink Revolveは音響設計に関して細かい資料がないのだが、かなり入念にリフレクター板が設計されており、拡散効果は非常に高い。形状、サイズ、デザインともにスピーカーっぽくない姿ではあるが、出る音はシッカリしているところは高評価である。

 SoundLink Color Bluetooth speaker IIは、前モデルからのブラッシュアップということであまり尖った個性が感じられなかったが、ラフに扱っても傷が付かない高耐久性モデルとして以前から人気のあるモデルだ。ソニーがわりとインドア、もしくは夜のパリピなイベントを想定しているのに対し、アウトドア指向が強く、車のトランクにぶち込んどく的な使い方になるだろう。

 ポータブルスピーカーも高級モデルはWi-Fiタイプへ移行しはじめている一方で、広く市民権を得たBluetoothスピーカーは、スマホと簡単にワイヤレスで繋がり、すぐ使える、すぐ撤収できるというのがポイントになる。サウンド的な個性だけでなく、ルックスや耐衝撃性、見た目の派手さなど、付加価値で競う時代になったということだろう。

AV Watch,小寺 信良

最終更新:5/17(水) 8:10

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