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19年ラグビーW杯 日本、悲願8強進出の条件とは 楽観的できない1次L突破

夕刊フジ 5/17(水) 16:56配信

 【柏英樹の勝負球】

 ラグビーの2019年W杯日本大会の組み合わせが決まり、世界ランキング11位で開催国の日本は、1次リーグA組で同4位アイルランド、同5位スコットランドなどと対戦する。世界一のニュージーランド、前日本代表前ヘッドコーチで日本を熟知するエディー・ジョーンズ率いるイングランド(同2位)などとは別グループとなり、悲願の8強入りに前進、と楽観的な見方が広がっているが、現実はそう簡単ではない。

 アイルランドは昨年、世界ランキング1位のニュージーランドに勝っているし、今季欧州6カ国対抗で優勝したイングランドに唯一黒星をつけた。スコットランドも、前回のW杯で日本に45-10で勝ち、昨年の日本遠征でも2連勝。

 ただ、いずれも過去のW杯で決勝に進出した経験はなく、強豪ではあるが、ニュージーランドに比べれば勝つチャンスがあるといったところだ。

 日本のラグビーが強くなったのは、まずタックルでしっかり相手を止められるようになったから。かつては外国の大男を1人では止めきれず2人、3人でようやく倒していた。それが国内のトップリーグに世界的な名選手、大型外国人選手が続々と加入。こうした選手たちと体をぶつけ合うことで、1対1で相手を倒せるようになった。

 前回の15年W杯で南アフリカを破る番狂わせをを演じたときも、低いひたむきなタックルで巨体をなぎ倒し続けた。80分間の試合で日本は127回のタックルを決めた。

 タックルは自らも倒れ、そしてすぐ起き上がって次のプレーに移るため、体力を消耗する。エディー・ジャパンが1日5部練習などを選手に課したのも、80分間走り、タックルし続けるスタミナをつけるためだったのだろう。

 2年後のW杯で悲願のベスト8に進出するためには、前回大会を上回るチーム力をつけなければならないが、現在のジャパンの力は未知数だ。ジェイミー・ジョセフ日本代表ヘッドコーチは、サンウルブスと日本代表を一体化し、トップリーグ、大学生ら50人を超える候補選手を集めて大規模合宿「ナショナル・デベロップメント・スコッド」を実施。新戦力の発掘に力を注いでいる。

 しかし、関係者の間には「早く日本代表を固定すべきだ」との声もある。

 エディー・ジャパンは4年間ほぼ同じ顔ぶれで国際試合に臨み、スクラムを強化、チームに対する使命感を全員の肌に染み込ませた。

 ニュージーランド出身のトンプソン・ルーク(近鉄)などは「日本人選手以上にチーム愛が強い」といわれたものだ。

 本番まであと2年。スクラムの強いアイルランドに対し、絶対的な自信を持てるほどスクラム強化をやり切り、同時に日本代表のメンバーを固定して国際試合の経験を積ませるなどの対策が必要だろう。

 A組5チーム中2位以上に入りベスト8に進出するには、欧州1位(ルーマニアが有力)と、欧州・オセアニアのプレーオフ勝者(トンガかサモアが有力)に勝つのは当然。その上で格上のアイルランドかスコットランドのどちらかに勝つことが条件になる。

 それには、日本代表選手たちがジャパンに対し強い使命感と忠誠心を持てるかどうかが鍵。あと2年の準備期間の中で、ジョセフHCの手腕にかかっている。

 ■柏英樹(かしわ・ひでき) 1942年東京都生まれ。青学大時代はラグビー部主将。64年に報知新聞社に入社し、巨人担当などを務めた。ONとは41年間親交がある。99年1月からフリー。著書多数。

最終更新:5/17(水) 17:03

夕刊フジ