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株投資は「欲」との戦い 日経2万円目前で考える「株の売り時」

ZUU online 5/17(水) 17:50配信

日経平均株価が2017年5月に入ってから堅調だ。1万9989円94銭まで上昇し、年初来高値を更新している。2015年6月につけた高値2万0952円71銭に迫る水準だ。

2016年にはイギリスのEU離脱を問うた国民投票、いわゆるブレグジットショックや、米国の大統領を決めた大統領選挙といったイベントが、世界中の金融市場に影響を与えたことは記憶に新しい。数多くのイベントを乗り越え、株式市場は上昇してきた。その様子を見て、株を買ったという人の中には、株を売却するタイミングがいつなのかと悩んでいる人もいるかもしれない。

株式投資で儲けるための基本は、「安い時に買って、高くなったら売る」だ。しかし、「まだ値上がりするかもしれない」と考えて、売り時の決断を先送りにし、含み益を減らしてしまうことはよくあることだ。株式投資で含み益が発生した場合、売り時の判断をどのように下したらいいのだろうか。

株を売却するタイミングを考える場合、あらかじめ利益確定のルールを決めておき、そのルールに従って機械的な取引を心掛けることが大切だと筆者は考える。

具体的な株の売却タイミングを考える方法としては2つある。

(1)株を買った値段からどれだけ値上がりしたか、買値からの値上がり率で売り時を決める方法
(2)株を売買する時に、株価チャートを見て売買タイミングを分析する方法

■売るタイミングを上昇幅で決める方法

まずは、(1)株を買った値段からどれだけ値上がりしたか、買値からの値上がり率で売り時を決める方法から解説する。

例えば、「株を買った値段から10%値上がりしたら売る」という風に、あらかじめ株を売る価格を決めるための上昇率(●%)を決めておく。10%とした場合には、1000円で株を買った時の10%の値上がりは100円なので、1100円になったら株を売る。

ただし、上昇率を何パーセントしたらよいのかを判断することは難しい。一日に1~2%程度の値動きしかない銘柄もあれば、10%程度も株価が動く銘柄もある。また、30%程度の利益を期待していても、15%程度で株価が天井を打って値下がりしてしまい、株価が30%まで上昇しない場合もある。銘柄の過去の値動きを参考にしたり、その時々のマーケットの地合いに応じて、上昇率を決めることが大切だ。

■売るタイミングを株価チャートで決める方法

次に、(2)株を売買する時に、株価チャートを見て売買タイミングを分析する方法を解説する。(2)では、株価の値動きをグラフに表した株価チャートを利用して、過去の株価データを元に相場の先行きを予測する「テクニカル分析」を活用する。テクニカル分析では、株価が今買われすぎなのか、それとも売られすぎなのか、上昇基調なのか、下落基調なのか等、株価の方向性や売買のタイミングを分析する。

具体的には株価動向、つまり株価の方向性を分析することができる「トレンド系のテクニカル指標」と、株価の過熱感、つまり株価が買われ過ぎか売られ過ぎかを分析することができる「オシレーター系のテクニカル指標」の2つに分けられる。トレンド系のテクニカル指標とオシレーター系のテクニカル指標では、それぞれの使う目的が異なっているため、その時々の株価動向、個別銘柄、相場の地合い等を考慮して、どのテクニカル指標を使うのが適切なのかを自分で判断しなければならない。

トレンド系のテクニカル指標としては、移動平均線やトレンドライン、一目均衡表、ボリンジャーバンド等が挙げられる。株価の方向性を分析するため、トレンドが転換した場合が株を売るタイミングになる。トレンド転換には注意したい。

オシレーター系のテクニカル指標としてはMACD(マックディー)やRSI(アールエスアイ)、RCI(アールシーアイ)、ストキャスティクス等が挙げられる。RSIの場合は数値が70%以上で買われすぎ、30%以下で売られすぎという風に、株価が買われすぎ(もしくは売られすぎ)の水準がその株価チャートによって決められている。決められた水準当たりを、株を売るタイミングの一つとして判断したい。

■株式投資は自分の「欲」と戦い

株価チャートを実際に利用する場合、無料から有料まで様々な種類がある。機能が異なるだけで、表示される内容の基本は変わらないと考えてよい。一般的な株価チャートでは「ローソク足」「出来高」「移動平均線」が表示されるので、最低限これらの基本は押さえておきたい。

<ローソク足>
株価の動きをローソクのような形で表したもの。一定の期間の「始値(はじめね)」「高値」「安値」「終値(おわりね)」の4つの値段から構成されている。始値よりも終値が高い場合には陽線、始値よりも終値が低い場合には陰線になる。株価が上昇トレンドにある場合には陽線が多くなる傾向にあり、下落トレンドにある場合には陰線が多くなる傾向にある。

<移動平均線>
日、週、月等一定期間の株価の動きを平均化した線のこと。線の方向性で、株価の大きなトレンドを把握することができる。売買シグナルとしては、期間の短い移動平均線が期間の長い移動平均線を上抜く「ゴールデンクロス」が買いシグナル、反対に、期間の短い移動平均線が期間の長い移動平均線を下抜く「デッドクロス」が売りシグナルになる。

<出来高>
一日にどれだけ売買されたのかを表す。その時の相場の勢いを把握できる。

株価チャートを利用することで、株価の動きをある程度分析できるようになり、売買タイミングを判断することができる。ただし、株価チャートを利用するのはあくまで我々である。見方によって分析の結果も異なってしまうため、すべての人が同じ売買になるわけではない。テクニカル分析を行ったからといって売買タイミングがいつも正解ではない点は考慮しておきたい。

さらに、「あの時売ればこれだけ儲かった」というのはあくまで結果でしかない。勝つ人がいれば、負ける人もいるのが株式投資だ。株式投資は自分の欲と戦いであることを肝に銘じ、株を売買するタイミングを判断していくことが大切になるだろう。

横山利香(よこやまりか)
国際テクニカルアナリスト連盟認定テクニカルアナリスト(CFTe)。ファイナンシャル・プランナー。相続士。「会社四季報オンライン」や「All About株式戦略マル秘レポート」での連載や、ヤフーファイナンスの「株価予想」でもマーケットコメントを執筆する等、株式投資や不動産投資といった投資や資産運用をテーマに執筆、メルマガ発行(http://yokoyamarika.com/9zu1)、講演活動、株塾を行う。

最終更新:5/17(水) 17:50

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