ここから本文です

<高浜原発再稼働>西日本稼働ラッシュ 今後、大飯や玄海も

毎日新聞 5/17(水) 19:48配信

 関西電力が高浜原発4号機(福井県)を再稼働させた。関電は6月上旬に3号機も再稼働させる予定で、電力会社の計画通りに進めば、今回を含め年内に3原発6基が再稼働する。原子力規制委員会に安全審査を申請した西日本の原発の6割が稼働することになり、原発回帰が進む。東日本で審査に合格した原発はなく、西日本では「稼働ラッシュ」を迎える状況となっている。

 規制委に安全審査を申請した原発は全国で16原発26基。このうち東日本は7原発11基、西日本は9原発15基だ。審査をクリアしたのは全国6原発12基で、現在、稼働しているのは九州電力川内1、2号機(鹿児島県)と四国電力伊方3号機(愛媛県)と高浜4号機の4基のみ。

 高浜3、4号機に続いて年内にも再稼働する見通しなのは、10月ごろと想定される関電大飯3、4号機(福井県)と、九電が年内の再稼働を目指す玄海3、4号機(佐賀県)。予定通りに進めば、年内に計5原発9基が稼働することになり、審査申請済みの西日本の原発の6割が動くことになる。

 炉型でみると、合格した原発は全て西日本に多い加圧水型(PWR)。東日本に多く、事故を起こした東京電力福島第1と同じ沸騰水型(BWR)は、8原発10基が申請済み。ところが、BWRは断層の活動性を巡る議論が続く場所に立地しているケースが多く、審査が長期化するなどして合格は出ていない。

 再稼働が続く状況について、新規制基準の作成に関わった明治大の勝田忠広准教授(原子力政策)は「新規制基準の策定で安全対策が強化され、再稼働に反対しにくくなったため、事故前の稼働状況に戻っていくだろう」と指摘する。その上で「(規制委の審査対象外の)避難計画について、議論がされないままになっている」と批判した。

 一方で、司法判断による運転差し止めリスクもくすぶっている。高浜3、4号機は昨年3月に大津地裁が運転を差し止める仮処分決定を出したが、大阪高裁が今年3月に覆した経緯がある。原発の運転に待ったをかける訴訟は各地で相次いでおり、炉型や西日本、東日本の立地にかかわらず、訴訟の動向も焦点となる。【鳥井真平】

最終更新:5/17(水) 22:24

毎日新聞