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対北で薄れる安保理存在感 非難の声明は今年6回…形骸化

産経新聞 5/17(水) 7:55配信

 【ニューヨーク=上塚真由】トランプ米政権発足後、核・ミサイル開発で挑発行為を続ける北朝鮮への対応をめぐり、国連安全保障理事会の存在感が薄れている。北朝鮮への軍事行使の可能性や、中国の習近平国家主席との直接交渉などトランプ氏の対北戦略に世界が注目する中、安保理の「効果」よりも「限界」に目を向ける風潮が強まっている。

 安保理は、国際平和への脅威に対する主な措置として、効力が強い順に「決議」「議長声明」「報道声明」を発することができる。北朝鮮問題をめぐっては、初めて核実験を行った2006年以降、6つの制裁決議を採択。度重なる中・短距離ミサイル発射に対しては、報道声明で対応してきた。

 安保理は今年に入り、ミサイル発射を強く非難する報道声明をすでに6回発表。全15カ国の結束した意思を示す狙いがあるものの、声明発表そのものが形骸化し、北朝鮮の抑止に効果が出ていないのは明らかだ。

 だが、安保理のこれまでの対応に若干の変化も見える。北朝鮮の急激なミサイル開発への懸念が強まる中、弾道ミサイル発射に対しても、報道声明だけでなく追加制裁を加えるべきだとの議論が出始めている。

 追加制裁が議論された場合、主な焦点となるのは米国が主張する石油の取引制限だ。ただ、実現するには、対話を重視する中露の説得が鍵となり、トランプ氏と中国の習氏、ロシアのプーチン大統領のトップ交渉に委ねられる。

 中国政府はミサイル発射を強く批判しているが、その“本気度”は十分とは言い難い。効果的な対応を安保理として早急に打ち出せるかは不透明だ。

最終更新:5/17(水) 7:55

産経新聞