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二階氏、インフラ銀に踏み込む

産経新聞 5/17(水) 7:55配信

 自民党の二階俊博幹事長は、滞在中に発生した北朝鮮の弾道ミサイル発射で習近平国家主席らとの会談や国際会議で繰り返し問題を提起し、日本の存在感をアピールした。首脳間の往来が途絶えている日中両国の関係改善に向けたパイプ役として親中派の面目躍如となった。

 「二階先生と再びお会いできて、とてもうれしく思っています」。習氏は約2年ぶりとなった16日の二階氏との会談の冒頭、こう呼びかけた。二階氏が中国語の仮訳付きの首相の親書を渡すと、習氏はその場で目を通し、会談は終始和やかなムードだったという。

 二階氏は、「一帯一路」国際協力サミットフォーラムが始まった14日朝に北朝鮮が弾道ミサイルを発射すると、午後のフォーラム分科会の講演で即座に「断固抗議する」と批判した。講演では北朝鮮政府関係者とみられる人物が硬い表情で耳を傾けていた。

 極めつきは習氏との会談だ。同行筋は「中国と太いパイプを持つ二階氏でなければ習氏との会談は実現しなかった。今回の会談は北朝鮮への強いメッセージになる」と語る。

 東・南シナ海での強引な海洋進出に加え、一帯一路構想でもにじむ中国の“覇権主義”を日本政府は警戒し、中国側が打診した世耕弘成経済産業相の出席を断った。一方、北朝鮮情勢が緊迫する中でバランスをとるため、与党重鎮の二階氏を首相の名代として送り込んだ。習氏との会談には今井尚哉首相秘書官(政務担当)も加わった。

 二階氏と連携するように、首相は15日夜のBSジャパンなどのインタビューで、7月にドイツで開かれる20カ国・地域(G20)首脳会議の際、習氏と会談する意向を表明。中国の外交トップである楊潔●国務委員が5月下旬にも来日することで調整が始まった。

 ただ、二階氏には政府の方針と異なる発言をする懸念もあった。二階氏は15日、同行記者団にアジアインフラ投資銀行(AIIB)への日本の早期参加が必要との考えを示した。

 首相も15日のインタビューで「公正なガバナンスが確立できるのかなどの疑問点が解消されれば」との前提で「前向きに考える」と語った。「運用を注視する」とも述べ、日本同様に不参加のトランプ米政権と共同歩調をとる方針だ。

 菅義偉官房長官は16日の記者会見で「運用を注視していくことは全く変わらない」と語り、麻生太郎副総理兼財務相も首相の発言は「われわれが言っていることと全く同じ」と述べた。

 二階氏は「注視」とは言わず、踏み込んだ発言だったことは間違いない。二階氏は17日にも首相と面会する予定で、16日の記者会見では「ワンポイント置くために『疑問点が解消されれば』という表現の仕方もあるだろう。首相とよく話し合いたい」と語った。(石鍋圭)

●=簾の广を厂に、兼を虎に

最終更新:5/17(水) 8:15

産経新聞