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<たばこ対策>推進協が結論先送り 政府の議論足踏みで

毎日新聞 5/17(水) 20:13配信

 今後6年間のがん対策の基本計画を検討している厚生労働省のがん対策推進協議会(門田守人会長)が17日開かれ、焦点のたばこ対策について、自民党や政府の受動喫煙対策がまとまらないことを理由に「保留」とし、結論を先送りした。6月初旬の次回会合で協議する予定だが、実効性のある対策に踏み込めるのかは不透明だ。

 次期基本計画の目玉はがんになる人を減らす「がん予防」。過去2期10年間の計画では、がん医療を中心に対策を進めてきたが、患者数や罹患(りかん)率は増え続けている。

 予防の要となるのがさまざまながんの原因となるたばこ対策。だが、計画案に盛り込まれた内容は第2期までとほぼ同じ。委員からは「受動喫煙をゼロにすべきだ」などの意見が出ていた。この日も批判が相次ぎ「協議会としての意思表示をさせてほしい」との声も上がった。厚労省幹部は「政府の方針と違うことを計画案に書き込んでも、認められなければ意味がない」と明かす。

 計画案では、予防のもう一つの要である検診について、受診率を向上させるため欧州で実施されているきめ細かな受診勧奨などを特徴とする「組織型検診」を目指すことが盛り込まれることになった。検診受診者の約半数は、企業や健康保険組合が福利厚生の一環として実施している職場で受けているが、検診内容や受診率も把握されていない。この点について「国は法的な位置づけを検討し、将来的に対象者数や受診者数などのデータを収集できる仕組みを構築する」と明記した。

 この他、計画案のスローガンとして「国民ががんを知り、がんの克服を目指す」を掲げた。個人の遺伝情報に基づくがんのゲノム医療の推進や、希少がんや難治性がん対策の強化が記載された。これまで支援が届きにくかった10代半ばから30代の「AYA(Adolescent and Young Adult)」世代に対し、就学や就労、妊娠などの多様なニーズを包括的に支えていく体制の整備も盛り込まれた。【下桐実雅子、細川貴代】

最終更新:5/17(水) 20:15

毎日新聞