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ポテトチップス品薄長期化、回復は秋以降か カルビーは農家支援

産経新聞 5/17(水) 7:55配信

 北海道産加工用ジャガイモの不足から、ポテトチップスの品薄が長期化している。大手メーカーは定番商品の原料確保のため4月からアイテム数を絞っており、回復は秋以降となる見通しだ。カルビーは今後、東北や九州のコメ農家などに加工用ジャガイモの栽培も勧め、収穫や選別といった重労働を支援することで7万~8万トンの供給増を目指す。

 「値引きを抑え、(シリアル食品の)『フルグラ』販売増などで収益を補う」

 カルビーの伊藤秀二社長は12日の決算会見で苦渋の表情を見せた。昨夏の台風や大雨により北海道のジャガイモが不作となった影響で、「ピザポテト」など33商品が販売休止や終了に追い込まれた。今年度のポテトチップスの売上高は前年度比6・4%(49億円)減少する見込みだ。

 北海道は国内のジャガイモ生産量の約8割を占めるが、昨年の出荷量は約153万トンと前年比1割減少した。ポテトチップスはジャガイモに含まれる糖分やデンプンが多いとおいしく作れないが、生食用には多く含まれており原料への転用は困難。輸入ジャガイモの利用も品質面で難しく、湖池屋も16商品がストップした。

 ジャガイモの収穫は5月下旬から九州で始まり、夏にかけて関東、東北へと北上していく。このため、ポテトチップスの品薄が解消するのは北海道の収穫が本格化する9月以降となる見通しだ。湖池屋は「今夏の天候がどうなるか分からず、決して安心できない」と気をもむ。

 足元の原料不足は不作が原因だが、中長期的には生産者の減少も大きな課題となる。北海道での作付面積は6年前と比べ約1割減少したが、背景にあるのは農家の人手不足だ。カルビーは、重労働の収穫や選別作業を農家に代わって手掛けるグループ会社を保有しており、支援態勢づくりも進めている。

 カルビーの伊藤社長は「今回のピンチで、逆に加工用ジャガイモ需要の大きさが知れ渡った。生産調整が廃止され(米価下落を懸念す)るコメ農家に、(新たな収益源として)ジャガイモの栽培を勧めたい」と話していた。

最終更新:5/17(水) 9:54

産経新聞