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「娘は“少女A”ではない」 江戸川の女子高生強殺、遺族が匿名の審理拒否

産経新聞 5/17(水) 7:55配信

 「私たちの娘の名は“少女A”ではなく、加奈だ」

 岩瀬加奈さんの母、裕見子さん(49)は公判に先立ち、産経新聞の取材にそう話した。近年は事件被害者や遺族の権利保護の観点から、捜査当局や裁判所が被害者の氏名を秘匿する例も多いが、裕見子さんら遺族は秘匿を拒否。「何も悪いことをしていない娘の名前をなぜ隠す必要があるのか。娘の無念さを裁判員裁判で訴えたい」という。

 公判で加奈さんの姉は「加奈は自分より他人のことを考える子だった」と証言。専門学校への進学費用としてアルバイト代30万円を両親に渡そうとし、断られたこともあったという。

 刑事訴訟法は、被害者や遺族らの意向に応じ、裁判所は被害者氏名や住所を秘匿して審理できると規定。子供が被害者の事件や、性犯罪などで秘匿されるケースが多い。殺人罪の公判では被害者は実名審理が原則だが、実名公表による悪影響が懸念される場合は秘匿できる規定もある。

 裕見子さんによると、公判前に検察官から加奈さんの氏名を秘匿するか意向を聞かれたという。「秘匿が決まると家族も娘の名前を法廷で呼べなくなる。娘の生きた証しや、娘の名誉を守るためにも秘匿しないことを家族で話して決めた」

 16日の公判で裕見子さんは、人ごとのように淡々と話す青木正裕被告の姿をじっと見つめ続けた。だが閉廷後に廊下に出た途端、号泣した。裕見子さんと父の正史さん(48)は19日に意見陳述する。(小野田雄一)

最終更新:5/17(水) 9:36

産経新聞