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カードローン、多重債務の温床に 貸付急増、3メガ銀で1.6兆円

SankeiBiz 5/17(水) 7:18配信

 銀行のカードローンの貸出残高が年々増加し、多重債務の温床となる恐れが浮上している。過去には消費者金融による過剰な貸し付けで自己破産が多発し社会問題となったこともあるだけに、融資拡大を問題視する声が上がり、各行は自主規制に乗り出した。ただ日本弁護士連合会(日弁連)などは「自主規制による対応では不十分」とし、法改正などを求めている。

 ◆高金利の“うま味”

 「カードが届いたら破棄していいので、作るだけでもお願いできませんか」

 大手行の40代女性行員は窓口客にカードローン契約をお願いすることがある。ノルマではないが契約目標があり、上司からも薦めるよう言われている。“うま味”が大きいからだ。

 日銀のマイナス金利政策で住宅ローンなどの金利で稼げない中、カードローンは高金利が見込め、多くの銀行が事業強化している。

 実際、国内銀行の2016年12月のカードローン貸出残高は5兆4377億円で、5年で約1.7倍に急増。三菱東京UFJ銀行、みずほ銀行、三井住友銀行の今年3月末の残高は計約1兆6000億円にも上った。

 一部では過剰な貸し出しも出ている。日弁連によると年収220万円の60代女性が500万円を借り自己破産するといったケースが起きている。消費者問題に詳しい日弁連の三上理弁護士は「住宅ローンなどを除き一般的には借り入れが年収の3分の1を超えると返済は困難」と指摘する。

 かつて消費者金融の過剰貸し付けが社会問題化。貸金業法が改正され、消費者金融は年収の3分の1超を貸し出せなくなる「総量規制」が導入された。銀行は消費者への無担保貸し付けをほとんど行っておらず対象外となったが、現在は傘下に消費者金融を取り込むなど状況は変わっている。

 ◆エスカレート危惧

 政府も警戒しており、麻生太郎金融担当相が「エスカレートしているのではないか」と懸念を示し、金融庁は銀行への聞き取りなどを通じ実態把握に踏み切る事態となった。

 全国銀行協会は3月、審査体制強化やCMなど広告の配慮を柱とする対策を発表。大手銀を中心に自主規制に乗り出し、みずほは融資上限を年収の2分の1から3分の1に引き下げ。三井住友は年収証明書を求める融資基準を300万円超から50万円超に下げた。金融庁は、自主規制が「実効性があるか監視する」方針だ。

 だが、大手銀の担当者は「過度な規制は正直困る。特に海外など他の収益源が少ない地銀には死活問題だろう」と本音を漏らす。規制強化で、ヤミ金などに流れる可能性を指摘する声もある。三上弁護士は「総量規制の時も同じ議論が出た。ヤミ金対策は社会保障で別途検討し、問題が深刻化しないうちに対策すべきだ」と話している。

最終更新:5/17(水) 8:08

SankeiBiz