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デンマーク異常発生カキ、中国人観光客に期待 「食べ尽くそう」盛り上がるネット

産経新聞 5/18(木) 9:40配信

 北欧デンマークの海岸にカキが異常発生して困っていることを、同国の駐中国大使館が中国の短文投稿サイトに投稿したところ、ネットユーザーたちが「すぐに食べに行こう」「中国人に任せろ」などと盛り上がっている。これに対し、先ごろ訪中したデンマークのラスムセン首相は、中国人観光客がカキを食べにデンマークを訪れることに歓迎の意向を表明した。中国人観光客といえば、世界各国の観光地を大挙して訪れ迷惑行為を繰り広げるなどとして“悪評”が定着している感があるが、今回は中国人観光客たちに期待が寄せられており、旅行先で「社会貢献」を果たすことになるかもしれない。

 中国メディアの報道などによると、デンマークの北部や西部の海岸にカキが異常に大量発生していることが、駐中国デンマーク大使館の名前で4月24日、中国版ツイッターと呼ばれる短文投稿サイト「微博(ウェイボー)」に投稿された。

 「カキが海岸を埋め尽くしている。でもデンマーク人はまったく喜べない。デンマークの海岸に来てカキを食べませんか」

 同サイトによると、南方からデンマークに入ってきた「太平洋カキ」と呼ばれるカキが海岸の生態環境を破壊。このカキはデンマークに天敵がいないため、この数十年の間に増え続けており、地元の科学者や漁民らが当局に対策をとるよう訴えているが、有効な対処法は見つかっていない。デンマーク政府は国民に対し、採取し持ち帰って食べるよう呼びかけているが、実行する人が少ないため効果は上がっていないという。

 このデンマークの「SOS」に中国のネットユーザーたちが反応した。「すぐに食べに行こう」「われわれ中国人に任せろ」「大幅に条件を緩和した『カキ観光ビザ』を発給すれば中国人が大勢訪れるだろう」「中国人が現地に行って食べればすぐに美しい海岸に戻るはずだ」「中国で安価に販売すれば問題は解決する」…。すでにデンマークに入り、実際にカキを採取した中国人もいるという。

 こうした中国のネットユーザーたちの盛り上がりに対し、デンマーク大使館は再び微博に「正義感のある応援に感謝している。デンマークの海岸で待っているよ」などと投稿した。また中国メディアの取材に対し「カキ食べ放題ツアー」の実施やカキの中国への輸出など、中国ネットユーザーの提案を本国に伝えることなどを明らかにした。

 さらに、5月上旬に中国を訪問したラスムセン首相は、四川省成都で行われたデンマーク観光のPRイベントで「カキ問題」に触れ、中国人観光客がデンマークでカキを楽しんでもらうことに歓迎の意向を示した。

 ラスムセン氏は「最近、中国のSNS上で、多くの人がデンマークの北部と西部に非常に興味を持っていることを知っている。中国人観光客はデンマークの美しい海岸と歴史的なスポットを体験するだけでなく、新鮮でおいしいカキを消費してくれる。みなさんの来訪をとても歓迎している」と語った。

 デンマークでも、カキは食材として利用されているが、人口がわずか約570万人で消費量は限られてることから、大量発生したカキを一掃するのは難しい状況。それだけに、約14億人の中国人パワーについて、デンマーク政府側は助けになるとみているようだ。カキを採取してくれる中国人観光客に対し、何らかの優遇措置がとられる見通しとなっている。

 中国人が目をつけたのはデンマークのカキだけではない。中国メディアなどによると、4月下旬、キューバの海岸にカニが大量発生しているとのニュースに中国のネットユーザーたちが反応した。キューバのピッグス湾に、オカガニの一種の「ランドクラブ」が産卵のために大量に押し寄せ、近くの道路上にまであふれて住民らの生活に影響している-というニュースだ。

 中国のネット上では「デンマークでカキを、キューバでカニを食べよう」「デンマークのカキとともに、このカニも食べ尽くそう」などの投稿が相次いだ。もっとも地元では、このカニには毒があるとの説も流れるなどで食用になっておらず、産卵期が終わるのを待っている状況といい、中国人たちの間での話題だけで終わりそうだ。

 また昨年夏には、米国のイリノイ川、ミシシッピ川などに「アジアゴイ」が大量繁殖したと話題となり、中国のネット上で「米国へ行って食べ尽くそう」などのコメントが寄せられた。中国の人たちは、食用になりそうな生き物の大量繁殖に敏感なようだ。

最終更新:5/18(木) 9:40

産経新聞