ここから本文です

「マリカー」事故相次ぎ、国交相が安全対策検討を表明…規制はどうあるべき?

5/17(水) 10:35配信

弁護士ドットコム

東京都内などを走る公道カート「マリカー」で事故が相次いでいることなどを受けて、石井啓一国土交通相は5月9日、警察庁と連携して、カートにシートベルトを設置するなどの対策を検討する方針を明らかにした。

公道カートをめぐっては、シートベルトやヘルメットの着用義務はないが、交差点を曲がりきれず、交番にぶつかる事故がおきたり、軽トラックに衝突する事故がおきたりするなどして、「危ないのではないか」と指摘する声が強くなっていた。

石井国交相は「事故実態を調査し、シートベルトの設置や他の車から見えやすくするなど、対策を検討する」としているが、公道カートを規制するとすれば、どうすべきなのだろうか。和氣良浩弁護士に聞いた。

●シートベルト、ヘルメット、そして「車高」

「公道カートは、道路運送車両法上では『原動機付自転車』に位置づけられているため、シートベルトの設置・着用義務がありません」

なぜ義務がないのか。

「原動機付自転車等のバランスを崩して転倒しやすい車両においては、事故時に運転者と車体とが離反するようにしておいた方が運転者にとって安全であると考えられているからではないかと思います。

しかし、公道カートは、四輪車であり、一応の安定性を有していると考えられるため、運転者と四輪車が離反しないようにしておいた方が運転者にとって安全であるように思います。これまでの事故状況等について、科学的に検証のうえシートベルト設置・着用義務を負わせる方がよいと思われます」

ヘルメットの義務についてはどう考えればいいのか。

「公道カートにヘルメット着用義務がないのは、道路交通法上で『自動車』と取り扱われているからですが、実際的には公道カートは普通乗用自動車とは違って車室による保護がありませんし、着用を義務付けた方が運転者にとって安全であることは明らかですので、やはり着用義務付けの方向で検討した方がいいでしょう。

シートベルト及びヘルメット着用義務の問題はあくまでも運転者への安全性について科学的に検証されるべきです」

他に規制すべきことはないのか。

「公道カートの危険性について全国的に指摘されているのは、その車高の低さゆえ、他の車両から視認状況が十分でなく、事故発生の可能性が高まるという問題ではないかと思います。

この点、道路交通法及び道路運送車両法上では、車高の下限に関する規制は設けられていません。

一部の公道カートでは、車両に旗を立てていますが、あくまで任意ですし、他車からの視認状況が不十分であることは明らかです。

公道カートのように、車高の低い車両に対しては、道路交通法や道路運送車両法により車高に関する下限を設けるか、他車からの視認確保のために大きな目印のようなものを設けるかなど、公道の安全性を保障する観点から法整備がなされることが求められます」

【取材協力弁護士】
和氣 良浩(わけ・よしひろ)弁護士
平成18年弁護士登録 大阪弁護士会所属 近畿地区を中心に、交通・労災事故などの損害賠償請求事案を被害者側代理人として数多く取り扱う。
事務所名:弁護士法人和氣綜合
事務所URL:http://www.wk-gl.com/

弁護士ドットコムニュース編集部