ここから本文です

【映像】ニューヨーク市警緊急出動部隊 橋の上で極限に挑む訓練

5/17(水) 11:14配信

AP通信

(ニューヨーク アメリカ 5月2日 AP)― ニューヨークのマンハッタンとブルックリンを結ぶブルックリン・ブリッジの天辺は、下を流れるイーストリバーの川面から84メートルの高さにある。ここに登るには、高所恐怖症にはとてもできない。

「快適なオプションというのはないな。登るか、登らないかのどっちかだ」というのは、ニューヨーク市警緊急出動部隊で教官を務めるジョン・フリン巡査部長。フリン巡査部長が所属する部隊は、超高層ビルの屋上から川底まで、市内で起こるありとあらゆる危険な救助活動を担当する超エリート部隊だ。

今日は、その隊員をニューヨークの象徴ともいうべきブルックリン・ブリッジの上で訓練しようというわけだ。僅かに橋の揺れを感じるが、慣れっこになっているフリン巡査部長にはどうということはない。「タワーに上がると、橋が浮いているような感じがするかもしれないが、それは自然な感覚だから」とこともなげにいう。

ニューヨーク市内にはこのブルックリン・ブリッジの他に数本の橋があるが、そのどれかに出動を要請されることは、日常茶飯事だという。「ケーブルの上とかタワーの上、橋のどこで身投げや抗議をやるにしても、橋の上にいる以上、こっちにも向こうにも同じように危険があるということだ」とフリン巡査部長はいう。

昨年の夏、男がマンハッタンのトランプ・タワーの壁面を大型の吸盤を使って登ったときも、この部隊が出動した。

クリストファー・ウィリアム隊員が当時を振り返って、男とのやりとりをこう説明する。「窓から首を出して、『安全のためにロープを巻いてくれませんか』といったんですよ。そしたら『ダメだ、私はトランプ氏に会いに行くんだ』というじゃありませんか」。

男がロープを巻くことを拒否したそのとき、ウィリアム隊員と同僚が行動を起こした。
「彼が近寄ったので『私と一緒に来て下さい』といって、彼の腕を掴んで引き寄せ、同僚と2人で窓の中に引きずり込んだんです」。

身投げしようとしたり、何かに抗議しようとする人は往々にして救助を拒むというが、隊員はそういうときの対応の仕方も教わっている。「感情的に高ぶった相手に対応するには、相手の話を聞いてやり、共通点を見つけてやることが大事だけど、ここ(橋の上)では、あらゆる安全対策のさらに上をいく厳しさが要求される」というフリン巡査部長。

緊急出動部隊の隊員になる要件は、5年の受け持ち地域のパトロール勤務、数か月に及ぶ特別訓練と命令一下、いつ何時でも躊躇なく摩天楼や橋に登れる精神力と身体能力だそうだ。

日々危険と背中合わせの任務に就いていても、隊員には橋の上からの眺めを楽しむ余裕はあるようだ。ブルックリン・ブリッジの天辺から下を眺めながら、「実際にこの上で任務を果たすことがどんなことか、分かったでしょ」とフリン巡査部長。非常に危険な仕事だが、ここから街の眺めは格別だ。

(日本語翻訳 アフロ)

最終更新:5/17(水) 15:20
AP通信